MMAG

MMAG株式会社：明治製菓発祥の農薬メーカーの歩みと終焉

MMAG株式会社は、東京都中央区に本社を置く農薬メーカーとして知られていました。その歴史は、明治製菓（現・明治ホールディングス）が農薬の製造販売を手掛けていた時代まで遡ります。しかし、明治ホールディングスが医療用医薬品事業への経営資源集中を決定したことで、MMAGの設立とその後の一連の企業再編劇が展開されることとなりました。

2021年9月、明治セイカファルマの子会社としてMMAG株式会社は設立されました。これは、明治セイカファルマが保有していた農薬事業を分離するための措置でした。そして、2022年1月4日、明治セイカファルマから農薬事業がMMAGに吸収分割で譲渡され、同時にMMAGの全株式が三井化学アグロに譲渡されました。この取引の総額は422億円に上りました。これにより、MMAGは三井化学アグロの完全子会社となりました。MMAGは、三井化学アグロと同じビルに本社を構え、事業を引き継ぎました。一部製品においては、馴染み深い「明治」ブランドの使用が継続されました。

MMAGは、オリゼメートなどの除草剤、アグレプトやマネージなどの殺菌剤、そして植物成長調整剤など、多岐にわたる農薬製品を市場に供給していました。これらの製品は、農業生産の維持向上に貢献する役割を担っていました。

しかし、MMAGの歴史は長くは続きませんでした。三井化学アグロは2023年1月、グループ再編を発表しました。この再編計画には、三井化学アグロの商号変更、そしてMMAGの吸収合併が含まれていました。2023年3月31日、三井化学アグロは三井化学クロップ＆ライフソリューション株式会社へと商号を変更し、同日付でMMAGを吸収合併しました。これにより、MMAGは解散することとなりました。同時に、MMAGの子会社であったMMアグロケミカルも、エムシークロップ＆ライフ化成株式会社に吸収合併され解散しています。

MMAGの吸収合併は、明治製菓から始まり、三井化学グループの一員として発展してきた農薬事業の歴史に一つの区切りをつけました。かつて、多くの農家や農業関係者にとって重要な役割を果たしてきたMMAGの製品は、今後は三井化学クロップ＆ライフソリューション株式会社の事業の一部として、農業分野への貢献を続けていくことになります。

MMAGの短い歴史は、企業買収と再編という現代の企業経営における厳しい現実の一端を示す事例ともいえます。その一方で、長年にわたり培われた農薬技術や製品は、新たな体制の下で継続されることになり、農業社会への貢献は今後も続いていくと考えられます。

沿革

2021年9月：明治セイカファルマの子会社として設立
2022年1月4日：明治セイカファルマから農薬事業を吸収分割により譲受。三井化学アグロの完全子会社となる。
2023年3月31日：三井化学クロップ＆ライフソリューション（旧三井化学アグロ）に吸収合併され解散

主な製品

オリゼメート
除草剤（ザクサ液剤など）
殺菌剤（アグレプト、マネージ、銅ストマイ水和剤、マテリーナ水和剤、カッパーシン水和剤など）
* 植物成長調整剤（ジベレリン明治、ジャスメモート液剤など）

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