MOMO 終末庭園へようこそ

『MOMO 終末庭園へようこそ』は、酒井まゆによる日本の少女漫画作品で、集英社の漫画雑誌『りぼん』にて2008年から2011年まで連載されました。単行本は同社のりぼんマスコットコミックスから全7巻が刊行されています。

あらすじ

物語は、不運続きの女子高生・小田切夢が「地球なんて滅びればいいのに」と軽はずみに願ったことから始まります。すると、彼女の前に大魔王モモが現れ、夢を地球の代表者に任命。モモは夢に、18歳の誕生日までに地球の全てを使って自分を喜ばせるよう命じます。もし7回喜ばせることができなければ、地球は破壊されてしまうというのです。かくして、地球の運命は一人の女子高生に託されることになりました。

登場人物

小田切夢（おだぎり ゆめ）

本作の主人公で、不運続きの高校1年生。16歳の誕生日にモモに気に入られ、地球の代表者に選ばれます。投げやりな態度に見えつつも、根はかなりの人好し。当初はモモたちを快く思っていませんでしたが、次第にモモを喜ばせることにやりがいを感じるようになります。父親の借金のために生活に困窮しており、地球の運命とアルバイトの両立に苦労しています。物語の途中で海外にいた父と再会し、幼馴染の叶歌と付き合うことになりますが、ナナギとの間で心が揺れ動きます。

モモ

本作のヒロインで、地球を滅ぼしに来た大魔王。外見は幼い少女ですが、年齢は約98億5000万歳という設定です。子供のような反応を見せる一方で、重要な場面では真剣な会話をすることもあり、その真意を掴みづらい一面も持っています。もう一人の大魔王ピコのことを嫌っており、自ら命を与えたぬいぐるみ「ぽんきち」と地球のケーキがお気に入りです。一時は夢への思慕から「大魔王をやめる」と言い出したこともあります。実は沙成によって造られた存在です。

沙成（さなり）

モモの付き人。もう一人の付き人であるナナギの星では、鳥の姿でモモに付き添っていました。温厚で落ち着いた性格ですが、つかみどころがなく、適当な思いつきで物事を進めることがあります。モモ一行の訪問先に合わせた容姿や服装などを決める役割も担っています。非常に器用で料理上手であり、実は神様です。

ナナギ

モモの付き人。端正な外見をしていますが、冷淡で無愛想、少し口が悪い性格です。8億年前に代表者となり、自分がモモの付き人になることを条件に故郷の破滅を免れた過去を持ちます。そのため「打倒モモ」を目論むピコに協力するなど、復讐心のような部分も覗かせていました。夢に対しては冷たく接するものの、親身になることもあります。夢の護衛として彼女と同じ学校に入学しています。夢のことを本当は好きですが、夢が本心では叶歌を愛していることに気づき、身を引きます。

ぽんきち

星ヶ丘遊園地のマスコットキャラクター「スコちゃん」のぬいぐるみ。夢が川で拾った後にモモによって生命を与えられ、言葉を話せるようになりました。熊のような外見で、モモの傍で地味に世話を焼くことが多いです。夢に好意を抱いています。

伊東 叶歌（いとう かなか）

夢の幼馴染で高校1年生。お人好しな性格ですが、ドジで頼りない一面もあります。ルックスはまあまあで女子からの人気もありますが、夢を一途に想い続けています。モモ達の正体や目的についてはまだ知らないものの、何かに気づいており、夢の彼氏となりますが、直後に病気が悪化して入院します。実家はケーキ屋です。

ピコ

もう一人の大魔王で、自称「スターブレイカー」。惑星の破壊よりも、打倒モモを目論み、夢を懐柔して利用しようとします。普段は少年の姿をしていますが、剣に変身することも可能です。実はモモ同様、沙成に造られた存在です。

藤田 実結（ふじた みゆう）

高校1年生の社長令嬢。学校のミスコンでグランプリを獲得した美少女で、成績も非常に優秀。少々ナルシストな性格です。ナナギに惹かれたことがきっかけで、一時的に代表者となり、モモの存在を世界中に知らせようとしました。代表者の座に対する執着を見せましたが、その尊大な態度によってモモの怒りを買い、さらにナナギたちには代表者の器でないことを宣告されます。後に恋愛対象がナナギから沙成へ変わります。夢が割り切れないときに、かなり強引に後押しすることが多いです。

大魔王

本来は、寿命が尽きた惑星などを破壊して除去する存在。破壊した惑星の命を取り込むことで永遠の命を得ています。沙成やナナギのような異星人かどうかは不明で、「謎の存在」とされています。大魔王というのは沙成による呼称であり、夢には「壊し屋」、ピコは自ら「スターブレイカー」と名乗っています。惑星の破壊は、特殊なシールド内部から光弾を発射して行います。大魔王の命を奪えるのは大魔王のみです。

大魔王の能力

ぬいぐるみに生命を与えたり、流星雨を降らせたりするなど、地球人の感覚では魔法のように見えることを簡単に行えます。モモやナナギたちの地球人の姿は、見た目だけを再現したものであり、かつて訪れた惑星では、住民であるアメフラシのような知的生命体と同様の姿を再現していました。猫などの動物やぬいぐるみとも意思疎通が可能です。食事を摂る必要はありませんが、作中では地球上の様々な食品を嬉々として食べる描写があります。これは「食事をすることで充足感を得られるため」とされています。知的生命体が住む惑星では代表者を選び、自らを7回喜ばせることを命じ、達成できれば惑星は破壊を免れますが、過去に達成できた代表者はいないとされています。大魔王としてのルールが存在しますが、誰が制定したのかは不明です。

その他の情報

2009年8月には、テレビ番組『おはスタ』にて本作の紹介企画が放送されました。また、集英社のインターネットラジオサイトVOMICではラジオドラマが公開されています。

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