MORITA

株式会社MORITA

埼玉県東松山市に本拠を構える株式会社MORITAは、仏像を中心とした美術工芸品に関連する幅広い事業を手がける日本の企業です。

沿革

その歴史は、1968年（昭和43年）に埼玉県東松山市で個人経営の「森田商事」として産声を上げたことに始まります。その後、事業の成長に伴い、2004年（平成16年）には「有限会社森田商事」として法人格を取得しました。さらに、2009年（平成21年）には商号を現在の「株式会社MORITA」に改め、組織体制を強化しています。本社所在地については変遷があり、2018年（平成30年）には一時、東京都千代田区に本社を移しましたが、2023年（令和5年）には再び創業の地である埼玉県東松山市へ本社を戻しています。

事業内容

代表である森田滋氏の祖父が美術工芸品の輸入卸業を営んでいた影響もあり、創業当初は木彫りの工芸品を取り扱っていました。今日では、仏像の卸販売や小売り、さらに独自の仏像フィギュアの企画・製造・販売、神社仏閣向けのお守り用木札の作成など、仏像関連の幅広い事業を展開しています。特に、現代のライフスタイルに合わせた仏像フィギュア事業は同社の重要な柱となっています。

仏像フィギュア事業の展開

かつて、まだMORITAという社名が広く知られていなかった頃、新たな活路を見出すべく、代表の森田滋氏が製品開発に苦慮していた時期がありました。そんな折、ある企業から「著名な怪獣キャラクターの版権を用いた木彫り怪獣」の製作依頼が舞い込んだのです。森田氏はこれを自社ブランド確立の足がかりと捉え、この依頼を受諾し製作に着手しました。完成品には手応えを感じていたという森田氏でしたが、通信販売業者による新聞広告での販売は振るわず、期待した成果には繋がりませんでした。

この経験から「本業である仏像関連で勝負しよう」と方針を転換し、知名度の高い仏像のフィギュア化を構想します。一般的な木製ではなく、より量産に適したプラスチック製での製造を決断しました。まず阿修羅像のフィギュアを製作し、当時取引のあった京都や奈良の土産物店への売り込みを行ったところ、良好な反応を得ることができました。

特に大きな転機となったのは、2009年に東京国立博物館で開催された「国宝阿修羅展」です。この展覧会で同社の阿修羅像フィギュアが大きな注目を集め、通信販売業者からの掲載依頼が相次ぎました。これを機に、同社は様々な仏像のフィギュア開発を本格化させ、独自の販売サイト「仏像ワールド」を開設し、オンラインでの販売を開始しました。

そして2010年12月、高品質なインテリア仏像ブランドとして「イSム（イスム）」を立ち上げ、よりモダンな感性を持つ層への訴求を始めました。2013年には東京都の表参道に路面店を開設するなど、ブランド展開を加速させ、仏像フィギュアを美術品やインテリアとして楽しむ文化の醸成に貢献しています。

その他の拠点

本社機能とは別に、物流拠点として埼玉県東松山市内に「株式会社MORITA 埼玉ロジスティックセンター」を置いており、全国への商品供給を担っています。

このように、株式会社MORITAは、伝統的な仏像や工芸品への敬意を持ちつつ、現代の技術や市場ニーズを取り入れた製品開発と販売戦略により、独自性の高い事業を展開しています。

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