MSN Explorer

MSN Explorerは、マイクロソフトが提供するポータルサイトMSNの利用に特化して開発されたネットワークアプリケーションソフトウェアです。2001年10月に初めて公開され、Windows XPの初期バージョンからService Pack 1までには、MSN Explorer 6が標準で添付されていました。このソフトウェアは、Internet Explorer、Hotmail、メッセンジャー、メディアプレーヤーといったMSNの主要なサービスコンテンツを統合しており、ユーザーはMSNが提供する様々なコンテンツを容易に利用できるよう設計されています。

特に、MSN Explorerは、Internet Explorerのグラフィックを美しく表示し、MSN Messengerのようなカラフルなアニメーションを特徴としています。また、アドレスバーがプログレスバーを兼ねるなど、Safariに似た機能も備えています。アプリケーション自体に必要な機能が揃っているため、パソコン初心者にも扱いやすいとされていました。Hotmailの未読メール数を表示したり、天気予報を自動で表示する機能も搭載されていましたが、天気予報の自動表示機能は現在は廃止されています。さらに、ユーザーがアドレスバーに機能の名前を入力すると、対応するオプションに直接アクセスできる機能も備えており、ユーザビリティにも配慮した設計となっていました。ただし、設定可能な項目はMSNコンテンツに関連する部分に限られ、ブラウザのホームページはMSNに固定されていました。

利用にはMicrosoftアカウント（旧Microsoft Passport、.NET Passport、Windows Live ID）が必要ですが、アカウントを所有していない場合は、MSN Explorerから直接取得することも可能です。MSN ExplorerでMicrosoftアカウントを登録する際、メールアドレスのドメインとして「msn.com」または「hotmail.com」を選択することができました。ソフトウェアは自動的に更新されるように設計されており、常に最新の状態に保たれます。ブラウザ機能はInternet Explorerに依存していますが、フォームなどの一部はWindowsのクラシックスタイルに似た表示になり、スクロールバーが自動的にフラットスタイルになるなど、Internet Explorerとは細部に異なる仕様が見られます。また、「mailto:」プロトコルのリンクを開いた場合、MSN Explorerはメーラーを起動せず、自動的にHotmailのメールアカウントでメールを送信するようになっています。

無料版の開発はMSN Internet Accessが利用可能なバージョン7までで打ち切られ、それ以降のバージョンは有料版となりました。また、Windows VistaにはMSN Explorerは標準で同梱されていません。MSN Explorerは、その統合的な機能と使いやすさから、多くのユーザーに利用されていましたが、その後、マイクロソフトの戦略変更により、その開発と提供は終了しました。MSNのサービスは、現在ではウェブブラウザや他のアプリケーションを通じて利用されています。

関連する項目として、Hotmail、IEコンポーネントブラウザ、Internet Explorer、ウェブブラウザ、Windows Live、MSNメッセンジャーなどが挙げられます。外部へのリンクとしては、MSNインターネットソフトウェア（MSN Explorer有料版）があります。

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