MTS単位系

MTS単位系とは

MTS単位系は、メートル（m）、トン（t）、秒（s）を基本単位とする、一貫性のある単位系です。この単位系は、MKS単位系（メートル、キログラム、秒）やCGS単位系（センチメートル、グラム、秒）と同じ原理に基づいて構築されました。

MTS単位系の特徴

CGS単位系は実験室での使用には適していましたが、工業的な用途には小さすぎると考えられていました。そのため、より大きな単位であるメートルとトンを基本単位として採用したMTS単位系が、工業分野での利用を目的として誕生しました。

MTS単位系の歴史

MTS単位系はフランスで構築され、1919年から1961年まで法的に有効な単位系として使用されていました。フランス語由来の単位名称（例：sthene、pieze）が含まれているのも、この単位系がフランスで生まれた証です。

また、MTS単位系はソビエト連邦でも1933年に導入されましたが、1955年には廃止されています。

基本単位

MTS単位系は、以下の3つの単位を基本単位とします。

長さ: メートル (m)
質量: トン (t)
時間: 秒 (s)

組立単位

MTS単位系には、以下の様な組立単位があります。

力: ステーヌ (sn) (1 sn = 1 t・m/s²)
仕事、エネルギー、熱量: キロジュール (kJ) (1 kJ = 10³ J= 1 t·m²/s²)
仕事率、動力: キロワット (kW) (1 kW = 10³ J/s= 1 t·m²/s³)
圧力、応力: ピエズ (pz) (1 pz = 1 sn/m²= 1 t/m·s²)

MTS単位系の意義

MTS単位系は、メートル法を基盤としつつ、より実用的な単位を用いることで、工業分野での利便性を高めた単位系でした。しかし、MKS単位系や国際単位系（SI）の登場により、次第に使用されなくなりました。

脚注

参照元情報を参考にしています。

関連項目

メートル法の単位の一覧

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