M/50 375mm対潜ロケット発射機

M/50 375mm対潜ロケット発射機

M/50 375mm対潜ロケット発射機は、スウェーデンのボフォース社によって設計された先進的な海上向け兵器です。このシステムは、375mmの口径を持つ4連装発射機で、主に潜水艦の撃沈を目的とした対潜爆雷を発射するためのものです。日本の海上自衛隊でも広く採用され、71式ボフォースロケットランチャーの名称で正式に運用されています。

概要

この兵器の開発は1948年に始まり、その後様々な弾頭が開発されました。提供されるロケット弾には、エリカ（Erika）、フローラ（Flora）、ミミ（Mimmi）、ネリ（Nelli）という4つのバリエーションがあり、それぞれ異なる重量と射程を持っています。具体的には、エリカは107kgで射程655～1,635m、フローラは230kgで1,400～2,230m、ミミは100kgで370～875m、ネリは80kgで1,580～3,625mの射程を実現しています。

発射機は4つの発射筒を使用しており、標準的にはM/50型が用いられます。この発射機は、遠隔操作が可能で、発射時の仰角を調整することで飛翔距離をコントロールできます。1954年から1955年にかけて試験が行われ、1956年より正式に運用が開始されました。

技術的な特徴

M/50型は、発射機とロケット弾の設計を含め、一部の特に長射程なネリ型が1974年から生産に入るなど、技術革新が随所に見られます。ロケット弾は後部安定翼を備えており、固体燃料ロケットとしての性能を持ちます。無誘導設計なので、発射機の設定した仰角によって距離が調整されます。

一方で、ボフォース社の375mm対潜ロケット発射機は、1960年代以降、誘導魚雷の普及により徐々に旧式と見做されるようになり、運用国によっては退役が進んでいます。しかし、1980年代後半からは対魚雷防御の役割に着目されるようになり、冷戦終結後の非対称戦争においてもその価値が見直されてきました。最近ではSAAB社が誘導ロケットを開発するなど、さらなる改善が探求されています。

日本での運用

日本の海上自衛隊は、1960年代初頭からこの対潜ロケットランチャーの使用を開始しました。特に、71式ボフォースロケットランチャーとして制式化された4連装発射機は、日本国内でライセンス生産が行われています。ネリ型も同様に導入され、エリカやフローラとともに、日本の向けに改修されています。さらに、艦艇ごとの特性に合わせて装備を調整するため、特定の艦には輸入品も使用されています。

作品での登場

M/50型は、さまざまなメディアでも取り上げられています。例えば、映画『海の底』や『ゴジラvsビオランテ』では、海上自衛隊がこの兵器を使用する場面が描かれています。また、アニメ『沈黙の艦隊』では、アメリカ海軍がこの兵器を用いて潜水艦に攻撃を仕掛けるシーンがあります。これらの作品は、M/50型の存在感を強調する一助となっており、特に日本の防衛技術に関する認識を高める役割を果たしています。

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