SAAB

SAAB（サーブ）について

SAAB（サーブ）は、スウェーデンを拠点とする航空機および軍需品の製造会社で、1940年代から事業を展開しています。もともとはスウェーデン軍向けの航空機製造会社として1937年に設立され、その後しばらくして自動車製造にも進出しました。現在、SAABは世界60カ国以上で活動しており、特に軍事関連の製品においては業界のリーダーとしての地位を確立しています。

企業構造と所有

SAABの本社はストックホルムに所在し、ヴァレンベリ家が運営するインベストールが株式の約3割を保有しています。自動車部門のサーブ・オートモービルは、もとはSAABの一部として存在していましたが、様々な企業への売却や合併を経て、現在ではSAABとの資本関係はない独立した会社です。

歴史の概観

SAABの歴史は、1937年にスウェーデン空軍向け航空機の製造を目的に設立されたことに始まります。第二次世界大戦中は、軍用機の製造を行い、戦後は事業の多角化を図る中で1946年から自動車製造へも進出しました。1989年からはゼネラルモーターズ（GM）の傘下となり、2000年には完全子会社化されました。その後、自動車部門は2011年に破産しており、現在ではSAABとの直接的な関連はありません。

1967年からはミサイルや防空レーダーなどの軍事機器の製造にも乗り出し、1999年には軍需企業Celsius ABを買収しました。さらに、2014年にはドイツの企業から軍事造船業者を取得し、航空機だけでなく海軍向けの兵器も手掛けるようになりました。現在、SAABの売上の約85%は軍事関連であり、残りは民間向けの製品に依存しています。

国別の売上では、アメリカ市場が大きな割合を占め30%を超えるのに対し、アジア太平洋地域が24%、欧州が14%と続きます。

最近の動向

2022年に始まったウクライナ戦争を受け、スウェーデンも軍事政策を見直し、北大西洋条約機構（NATO）に加盟することを決定しました。これによって、SAABは新たな防衛技術へのアクセスを得ることができ、CEOのミカエル・ヨハンソンは電子戦プログラムの拡充や、国内での銃砲弾の生産能力の増強を進めていると語っています。

製品ライン

SAABの製品には、様々な軍用機や民間機、そして練習機が含まれています。軍用機の代表には、サーブ 39 グリペンやサーブ 32 ランセンなどがあります。民間向けではサーブ 340やサーブ 2000などの双発中型旅客機が展開されています。特殊な製品としては、AT4（携帯式無反動砲）やRBS-15（対艦ミサイル）など、兵器システムも扱っています。

日本におけるSAAB

日本においては、東京にある「Saab International AB」が存在し、国内市場への進出を図っています。これにより、SAABはグローバルに事業を展開し続けています。

SAABはその長い歴史の中で培った技術力と経験を活かし、今後も航空機製造や軍需品の分野での影響力を保ち続けることでしょう。

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