Macintosh Portable

Macintosh Portable：Apple初のバッテリー駆動Mac

Macintosh Portableは、Appleが1989年9月から1991年10月にかけて販売した、Macintoshシリーズ初のバッテリー駆動パーソナルコンピュータです。その開発には、携帯性とMacintoshのパワーを両立させるという、Appleの強い意志が込められていました。

ハードウェア

筐体

Macintosh Portableの筐体は、ポータブル機としての使いやすさを追求した設計が特徴です。Macintoshシリーズとしては初となるトラックボールが標準搭載され、これはテンキーと交換可能でした。さらに、キーボード自体も左右を入れ替えることができ、右利き・左利きどちらのユーザーにも快適な操作性を提供しました。筐体底面の内側には、開発者たちのサインが刻印されているという、遊び心も垣間見えます。

ディスプレイ

ディスプレイには、当時としては先進的なホシデン製のTFT液晶パネルが採用されました。1991年2月には、バックライトを内蔵し、暗い場所での視認性を向上させた後期モデル（M5126）が登場しました。前期モデル（M5120）のユーザー向けには、有償アップグレードも提供されましたが、その際にはディスプレイだけでなく、ROMカードの追加やロジックボードの交換も必要となりました。

バッテリー

バッテリーには、密閉型鉛蓄電池が採用されていました。しかし、このバッテリーは完全に放電してしまうと劣化し、充電できなくなるという弱点がありました。そのため、バッテリーのセルを再パックするか、別の6V電池を使用する必要がありました。フル充電された状態での稼働時間は、約6時間とされていました。

スリープイメージ保持メモリ

低電力スリープモードからの「即時オン」を実現するために、高価なSRAMが使用されていました。コストダウンを図った後期モデル（M5126）では、より安価な擬似SRAMに変更されましたが、消費電力が増加し、バッテリーの稼働時間が半減するというトレードオフが生じました。加えて後期モデルはバックライトを搭載したこともバッテリーの稼働時間が半減した要因です。

SCSI

外部接続用にDB-25端子を備えるほか、内蔵ハードディスク（Conner CP-3045）用に独自のコネクタを備えていました。内蔵ハードディスクを一般的なものに交換する際には、変換アダプターが必要でした。

構成

内蔵ドライブの構成は、以下の3種類から選択可能でした。

フロッピードライブ1台
フロッピードライブ2台
ハードディスク1台とフロッピードライブ1台

採用されていたフロッピードライブは、FDHD（1.44MB対応）でした。

参考文献

中原晃司、梶浦正規著『マッキントッシュ礼賛』株式会社カットシステム、1997年6月1日。ISBN 4-906391-45-1。

外部リンク

* 祝 Macintosh 30周年!! どこがボータブル？Macintosh Portable｜Mac

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