Mark 10 (核爆弾)

Mark 10 核爆弾の概観

Mark 10は、アメリカ合衆国が開発していた軽量核爆弾である。この爆弾は、先行するMark 8を基にして設計されており、主に核兵器の運用効率を向上させることを目的としていた。これは、より軽量で扱いやすい核兵器を求める中での新たな試みと言える。

特徴と設計

Mark 10は、ガンバレル型の核分裂兵器であり、核物質として高濃縮ウランを使用していた。特徴的な点は、その軽量化が求められたことである。特に、信管に関しては多目的型ではなく、空中爆発用のみの設計が採用されることになった。この設計方針により、爆発の効果を最大限引き出すことが可能と期待された。

Mark 10は、愛称として「エアバースト・エルシー」（Airburst Elsie）がつけられた。これは、その設計が軽量爆弾（Light Casing bomb）であることから由来している。直径は約12インチ（約30センチメートル）、重さは1,500から1,750ポンド（約680から790キログラム）、計画された核出力は12から15キロトンに達する見込みだった。

開発の行方

しかし、1952年5月に入ると、Mark 10の開発は中止されることとなった。開発途中の困難や、他の軽量核爆弾に対する技術的な優位性が求められる中で、次世代の核兵器としてMark 12の開発が進められることになった。このMark 12は、インプロージョン方式を採用しており、Mark 10よりも更に軽量化され、必要な核物質の量を減少させることができる設計となっている。

結論

このように、Mark 10はそのリリースには至らなかったものの、アメリカの核兵器開発史において重要な位置を占める試みであった。結果的には、Mark 12のような新しい設計へと進む道を開いたとも言える。核技術は、その時代に応じて進化し続けており、Mark 10もその一環であったと言えるだろう。

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