Mark 15 (核爆弾)

Mark 15 核爆弾

Mark 15は、アメリカ合衆国が開発した核爆弾であり、その特徴的な設計は核融合兵器の先駆けを示しています。前モデルであるMark 14が約14トンの重量であったのに対し、Mark 15は約3.4トンと大幅に軽量化され、より実用的な兵器となりました。

概要

この核融合兵器は固形重水素化リチウムを核物質として使用しており、テラー・ウラム型の構造に基づいたステージ化された設計がなされています。核融合兵器としての初期のタイプであり、核出力の大部分は高濃縮ウランによる核分裂反応から供給されます。具体的には、プライマリーと呼ばれる原子爆弾の爆発によって発生したエネルギーが、タンパーと呼ばれる部分を介してセカンダリーの核融合物質に伝わり、中性子を生成します。その中性子が核分裂反応を引き起こすことで、さらなる爆発効果を生み出します。

Mark 15のサイズは直径34.4-35インチ、長さ136-140インチであり、爆発方法には空中爆発や触発、レイダウン投下用の信管も含まれています。この核爆弾は1955年から1957年の間に1,200発が生産され、1961年からは退役が始まりました。最終的には1965年に全てのMark 15が退役しました。

なお、Mark 15の設計を基にして、SM-62 スナーク巡航ミサイルやPGM-11 レッドストーン弾道ミサイル用のW15が計画されましたが、これは1957年に開発が中止されています。Mark 15の進化版としては、1957年にMark 39が登場しています。

各型

Mark 15にはいくつかのバリエーションがあり、主に以下の3つに分類されています。

Mod1

このモデルは、原型であるZombie装置に付けられた名称で、核実験「キャッスル・ネクター作戦」で使用されました。核出力は1.69メガトンです。

Mod2

実験装置であるTX-15-X1に基づくこのモデルは、核実験「レッドウイング・チェロキー作戦」で使用されました。その核出力は3.8メガトンに達しています。

Mod3

TX-15-X3はMark 39に発展した型です。

数世代にわたり、Mark 15は核兵器の技術進化に寄与し続けましたが、その運用停止後、その影響を受けた新たな核戦略が展開されています。今日では、この設計が持つ歴史的意義も評価されており、冷戦時代の核兵器開発の一端を担った重要なモデルとされています。

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