Mark 17 (核爆弾)

Mark 17の概要

Mark 17は、アメリカ合衆国によって開発された核爆弾であり、特に水素爆弾として知られています。この兵器は、同様な構造を持つMark 24と並んで、アメリカが手がけた核兵器の中でも最も強力なものの一つです。

開発の経緯

Mark 17は、固形重水素化リチウムを用いた乾式水爆の一種であり、1953年2月には実験兵器としてTX-17の設計が始まりました。キャッスル作戦の一環であるロメオ実験において、TX-17はルント装置（Runt）として開発されました。この実験は1954年3月27日に実施され、予想を超える出力を記録しました。これが、核融合兵器の急速な戦力化の一歩となり、1954年4月以降には「Emergency Capability」（緊急能力）という名のもとに暫定的な兵器化が進められました。

EC-17とMark 17の違い

EC-17とは、TX-17の一部が国防の要請に応じて実用化された型式で、安全装置や投下機の退避時間を確保するための減速用パラシュートを省いたモデルです。結果として5発が生産されました。

その後、1954年7月には全面的に機能するMark 17が完成し、EC-17は退役する運びとなりました。Mark 17は天然濃度のリチウム6（同位体比約7%）を核燃料として使用しており、Mark 24と比べてリチウム同位体の濃度が低い点に特色があります。

尺寸と仕様

Mark 17の大きさは、直径61.4インチ（約156cm）、長さ296.7インチ（約754cm）、重量は41,400ポンドから42,000ポンド（約18,700kgから19,050kg）の範囲です。また、ケーシングはMark 16と同じ設計であり、先端が丸みを帯びた円筒形をしています。

この兵器の核出力は、サブタイプによって異なり、10Mt（mod1）、12Mt（mod2）、15Mt（mod3）という強力な威力を持つことが特徴です。全体で約200発が生産されました。

発射プラットフォームと退役

Mark 17は、空中爆発やmod2の触発機能を備えていますが、主にアメリカ空軍のB-36爆撃機で運用されていました。この爆撃機は、Mark 17を1発搭載する能力を持っていましたが、1987年には退役しています。

まとめ

Mark 17はその開発の過程や性能から見ても、冷戦時代における核兵器の戦略的役割を象徴する重要な兵器です。技術の進化に伴い、生産と運用は短期間で進みましたが、その威力は現在でもその影響を残しています。

もう一度検索