Mark 7 (核爆弾)

Mark 7（マーク7）

Mark 7は、アメリカ合衆国が設計し、初めての戦術核兵器として登場した重要な兵器です。この核兵器は、多様な用途に応じて設計されており、爆弾としてだけでなく、ミサイルの核弾頭としても使用可能です。また、別名でW7とも呼ばれ、トールとの通称でも知られています。

開発の背景と技術

Mark 7は、戦術的な要求に応えるために開発され、低高度からの侵入を基にした攻撃手法であるLABS（Low-Altitude Bombing System）によってその運用が可能になりました。この手法は、高速で飛行中に爆弾を投下し、離脱のタイミングを十分に確保することに重点を置いています。Mark 7は、1951年に行われた核実験「バスター・ジャングル作戦」（Operation Buster-Jangle）において、実際に試験が行われました。

仕様と特徴

この兵器は、戦闘爆撃機に搭載できるように設計されており、そのため小型軽量で流線形の形状を持ち、安定翼も装備されています。技術的には、Mark 7は核分裂兵器であり、92分割の爆縮レンズを使ったインプロージョン方式を採用しています。核出力はサブタイプによって異なり、例えば、mod 0のものは8キロトン、mod 9では61キロトンに達します。大きさに関しては、直径30.5インチ、長さ183インチ、重量は1,645ポンドから1,700ポンドという仕様です。

信管と配備

Mark 7の信管は、着発信管または空中爆発信管が選ばれており、W7には水圧信管が用意されていました。これらの特色に加え、Mark 7は1952年から1967年にかけて、約1,700至1,800発が生産され、配備されました。

歴史的な証拠

興味深いことに、2016年2月19日に、ジョージ・ワシントン大学の研究所が沖縄・嘉手納基地において核兵器が配備されていた事実を示す写真を公開しました。その中には、1962年10月に撮影されたとされるMark 7の姿が写っています。これは、Mark 7の実運用の歴史においても重要な資料となっています。

搭載兵器の種類

Mark 7には、いくつかの搭載兵器があり、以下のような種類が含まれています。

• - Mk90 核爆雷（1952年-1960年に配備）
• - MGR-1 オネスト・ジョン（1954年-1960年に配備）
• - MGM-5 コーポラル（1955年-1964年に配備）
• - MIM-14 ナイキ・ハーキュリーズ（1956年に搭載計画中止）

Mark 7は、戦術核兵器としての多機能性とその歴史的背景から、冷戦時代の核兵器の中でも重要な位置を占めています。

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