Master of Puppets (ドリーム・シアターのアルバム)

『Master of Puppets』（マスター・オブ・パペッツ）は、プログレッシブ・メタルバンド、ドリーム・シアターが2004年に発表したライブ・アルバムです。このアルバムは、彼らが敬愛するメタリカのアルバム『メタル・マスター』（Master of Puppets）を、ライブで完全再現した模様を収録しています。

このライブアルバムは、ドリーム・シアターのオフィシャルブートレグ専門レーベルである「YtseJam Records」から、生産限定で販売されていました。長らく入手困難な状況が続いていましたが、2021年9月に最新マスタリングと新アートワークを施した復刻版がリリースされ、再び注目を集めています。

メタリカの『メタル・マスター』は、ヘヴィメタルの歴史における金字塔として知られ、スラッシュメタルの代表作として高く評価されています。ドリーム・シアターは、その複雑な楽曲構成と高度な演奏技術で、プログレッシブ・メタルというジャンルを確立しました。この2つのバンドの組み合わせは、一見すると異質に感じられるかもしれませんが、ドリーム・シアターのメンバーは、メタリカの音楽に深い敬意を抱いており、その音楽性を高く評価しています。

『Master of Puppets』では、ドリーム・シアターのメンバーがメタリカの楽曲を忠実に再現しながらも、彼ら自身の音楽的な個性を随所に散りばめています。特に、各メンバーの卓越した演奏技術が光り、原曲の持つエネルギーと迫力を損なうことなく、新たな魅力を引き出しています。ジェイムズ・ラブリエのボーカルは、メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドとは異なるスタイルでありながら、楽曲の世界観を見事に表現しています。ジョン・ペトルーシのギターソロは、原曲に忠実でありながらも、彼ならではのテクニカルなフレーズが満載です。ジョーダン・ルーデスのキーボードは、楽曲に奥行きと広がりを与え、マイク・ポートノイのドラムは、原曲の持つパワーとグルーヴをさらに増幅させています。ジョン・マイアングのベースは、楽曲の土台をしっかりと支え、全体のサウンドをより重厚なものにしています。

このアルバムには、『メタル・マスター』の収録曲が全曲収録されています。

1. Battery
2. Master of Puppets
3. The Thing That Should Not Be
4. Welcome Home (Sanitarium)
5. Disposable Heroes
6. Leper Messiah
7. Orion
8. Damage, Inc.

これらの楽曲は、ドリーム・シアターのメンバーによって、忠実に、そして情熱的に演奏されています。メタリカファンはもちろんのこと、ドリーム・シアターファンにとっても、必聴のライブアルバムと言えるでしょう。

『Master of Puppets』は、単なるカバーアルバムではありません。ドリーム・シアターがメタリカの音楽に敬意を払いながらも、自分たちの音楽性を融合させ、新たな音楽体験を創造した、価値ある作品です。プログレッシブ・メタルとスラッシュメタルという、異なるジャンルの融合が生み出した、音楽的な化学反応をぜひ体験してみてください。

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