ジョン・ペトルーシ

ジョン・ペトルーシ（本名：John Peter Petrucci、1967年 7月12日生まれ）は、アメリカのプログレッシブ・メタルバンドであるドリーム・シアターのギタリストとして名高いミュージシャンおよび作曲家です。彼の音楽的キャリアは、若いころから始まったギターの演奏を通じて育まれました。

経歴

ペトルーシがギターを始めたのは12歳のときで、最初はレッド・ツェッペリンやディープ・パープル、ブラック・サバスなどのバンドの楽曲をコピーしていました。しかし、成長するにつれて、メタリカやラッシュ、イエス、オジー・オズボーンといった個性的なアーティストに惹かれていきました。特に「スティーヴ」や「アル」の名を持つギタリストからの影響が強いことを彼自身が認めており、スティーヴ・モーズやスティーヴ・ヴァイなどの技術を高く評価しています。

ハイスクールでは音楽理論を勉強し、その後バークリー音楽大学に進学。この学校で仲間のマイク・ポートノイと出会い、ジョン・マイアングとともにバンド「MAJESTY」を結成します。バークリー大学からは休学を選択し、音楽の世界に飛び込みました。1989年にデビューアルバム『ホエン・ドリーム・アンド・デイ・ユナイト』を発売し、バンド名を「DREAM THEATER」と改名しました。

90年代には、彼の長髪と甘いルックスが特徴でしたが、2001年に大胆に髪を短く切りました。現在もまた髪を伸ばしており、濃厚なあごひげも彼のトレードマークとなっています。家庭人としても彼は、妻のレナと3人の子供がいます。妻もギタリストであり、音楽の世界に積極的に関わっています。

ドリーム・シアター以外での活動

ペトルーシは、サイドプロジェクト「リキッド・テンション・エクスペリメント（LTE）」で特に有名です。このバンドでは、ジョーダン・ルーデス、トニー・レヴィン、マイク・ポートノイと共にインストゥルメンタル作品を制作し、各メンバーの高い演奏技術が光る魅力的な楽曲を生み出しました。1999年に解散しますが、LTEの楽曲はドリーム・シアターのライブでも演奏されることが多いです。

ソロ活動にも力を入れており、2005年に『Suspended Animation』というアルバムをリリース。音楽配信サービスでも聴取可能となり、彼の音楽がより多くの人に届くようになりました。また、2001年からはジョー・サトリアーニ主催のG3ツアーに参加し、自身のソロ活動を広める場ともなっています。

音楽性

ペトルーシの音楽は、プログレッシブロックやヘヴィメタルが基本であり、変拍子やポリリズムを巧みに取り入れています。特に独特なリズムやメロディーを持つ楽曲が多く、ギターだけでなく作詞にも力を入れる彼は、ドリーム・シアターの楽曲でも多くの歌詞を提供しています。

また、ペトルーシは速弾きやスウィープ、タッピング技術においても絶大な実力を誇ります。アコースティックギターを使用する際も、フラメンコ風の演奏スタイルを取り入れるなど、多様なスタイルで聴衆を楽しませます。

機材

ペトルーシの使用するギターは、日本のIbanezから始まり、後にアメリカのErnie Ballに変更されています。特に彼のシグネチャーモデルには、ピエゾピックアップが搭載され、アコースティックのパートをライブでリアルに再現するのに重宝されています。また、メサ・ブギーのアンプを愛用し、音楽の質にこだわり続けています。

人物像

ペトルーシは、シリアスな音楽とは裏腹に、明るく穏やかな性格を持つことで知られています。彼はファンや他のアーティストに対しても非常に親しみやすく、質問に対しても快く応じる姿勢が印象的です。また、息子がバークリー音楽大学に進学したことを嬉しく思っているようで、彼自身の音楽的趣向が反対であることを語っています。

ジョン・ペトルーシは、個性的な音楽スタイルと技術を持ち合わせたアーティストであり、今なお多くのファンに愛され続けています。

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