Max (鉄道車両)

Max（マックス）: 全車2階建て新幹線の歴史

Max（マックス）は、かつて東日本旅客鉄道（JR東日本）が運行していた、全車2階建て新幹線の愛称です。これは、E1系とE4系という2つの車両系列に対して与えられたもので、"Multi Amenity eXpress"の略称に由来します。1994年にE1系が登場した際に車両の愛称として採用され、後にE4系が登場した際には、全2階建て新幹線車両全体の愛称として広まりました。

Maxの列車愛称としての使用

Maxは、その特異な構造から、乗車定員や列車の運行形態が他の新幹線車両と大きく異なりました。そのため、「Maxとき」や「Maxたにがわ」のように、列車愛称としても広く用いられました。

運用路線

Max車両は、主に以下の新幹線路線で活躍しました。

東北新幹線: 1999年12月にE1系が、2012年9月にE4系が運用を終了するまで使用されました。
「やまびこ」：E4系は「つばさ」との併結運転も行われましたが、併結なしの8両または16両編成の列車も存在しました。最盛期には盛岡まで乗り入れる列車もありました。
「なすの」：E4系で運転する列車には400系やE3系を連結するものもありましたが、その場合は「Max」の名称は使用されませんでした。
「あおば」：E1系のみが使用され、1997年に「やまびこ」に統合されました。
上越新幹線: 2012年9月にE1系が、2021年10月にE4系が引退するまで運用されました。
「あさひ」：2002年12月に「とき」に名称が変更されました。
「とき」：E4系による16両編成の列車も存在し、2021年まで運行されました。
「たにがわ」：同じくE4系による16両編成の列車も存在し、2021年まで運行されました。
北陸新幹線: 定期列車としての運行はありませんでしたが、E4系が「あさま」として2001年に臨時列車として運行されました。

全車指定席での運用

通常、E1系の1 - 4号車、E4系の1 - 3号車の2階席は自由席として運用されていましたが、過去には「Maxやまびこ」「Maxとき」「Maxあさひ」「Maxあさま」が全車指定席で運行されたこともありました。この際、自由席として扱われるはずだった座席も通常の指定席として販売されました。

引退の経緯

E1系、E4系ともに、後継車両の開発に伴い、順次引退していきました。

E1系: E4系への置き換えが進み、1999年12月に東北新幹線での定期運行を終えました。その後、E5系の増備によりE4系が上越新幹線へ転属し、2012年9月に上越新幹線での定期運用も終了しました。
E4系: E5系の導入により、2012年9月に東北新幹線での運行を終えました。上越新幹線でもE7系への置き換えが予定されていましたが、2019年の台風19号により北陸新幹線車両センターのE7系・W7系が被災したため、E4系の運用終了は一時的に延期されました。その後、2021年10月1日に引退することが正式に発表され、同年10月17日の団体専用列車「サンキューMaxとき」の運行をもって、全ての営業運転を終了しました。

関連項目

新幹線
鉄道車両
フランス国鉄TGV Duplex
Maxとき315号 - NGT48の楽曲（列車名に由来）

外部リンク

E4系：JR東日本

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