MeeGo

MeeGo（ミーゴ）は、Linuxを基盤とした携帯機器向けのオープンソースオペレーティングシステムプロジェクトです。2010年2月、モバイル業界の展示会Mobile World Congressにおいて、インテルが推進してきたMoblinと、ノキアが主導してきたMaemoという二つのプロジェクトが統合され、MeeGoとして発表されました。この統合により、新たなモバイルOSの可能性が期待され、2010年5月にはMeeGo v1.0がリリースされました。

MeeGoは、多様なモバイルデバイスに対応することを目指し、柔軟なカスタマイズ性と高度な機能を提供することを目標としていました。しかし、その後の状況は、MeeGoの発展に暗雲を投げかけることとなります。

2011年2月、ノキアがマイクロソフトとの提携を発表し、Symbian OSとMeeGoの開発を中止し、Windows Phone 7プラットフォームに注力する方針を打ち出しました。ノキアは、MeeGoを搭載した最初の、そして最後のスマートフォンとなる「N9」を2011年9月29日に発売しました。この決断は、MeeGoの将来に大きな影響を与えました。

一方、インテルは当初、MeeGoへの注力を表明していましたが、2011年9月27日にMeeGoプロジェクトからの撤退を発表しました。これにより、MeeGoは主要な開発パートナーを失い、事実上開発が停止することとなりました。

しかし、MeeGoの技術と理念は失われることはありませんでした。元ノキアN9の開発メンバーを中心とするフィンランドの企業Jollaによって、MeeGoの思想を受け継ぐSailfish OSの開発が始まりました。2013年5月20日には製品発表が行われ、予約受付が開始され、出荷は2013年末とアナウンスされました。

Sailfish OSは、MeeGoのコンセプトをさらに発展させ、新たなユーザーインターフェースと革新的な機能を提供しています。このようにMeeGoは、短命に終わったものの、その技術は後のSailfish OSに受け継がれ、モバイルOSの歴史にその名を刻みました。

MeeGoは、オープンソースの精神に基づき、多くの開発者やコミュニティの貢献によって支えられていました。その遺産は、現在のモバイルOS開発にも影響を与えており、その理念は今後も継承されていくことでしょう。

関連情報

Moblin: インテルが主導したモバイルデバイス向けのLinuxベースのオペレーティングシステム。
Maemo: ノキアが主導したLinuxベースのモバイルプラットフォーム。
ノキア: かつて携帯電話市場で大きなシェアを誇ったフィンランドの企業。
インテル: 世界最大の半導体メーカーの一つ。
シンビアン: かつてノキアが利用していたスマートフォン向けオペレーティングシステム。
Android: Googleが開発したオープンソースのモバイルオペレーティングシステム。
Jolla: 元ノキアのエンジニアによって設立されたフィンランドの企業。
Sailfish OS: Jollaが開発したMeeGoの思想を受け継ぐモバイルオペレーティングシステム。

外部リンク

MeeGo公式サイト （英語）
MeeGo日本語公式サイト （日本語） - 閉鎖。（2012年3月4日時点のアーカイブ）

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