MiG-23 (航空機)

MiG-23 戦闘機の概要

MiG-23（ロシア語：МиГ-23）は、ソ連のミグ設計局によって開発された多用途戦闘機で、1967年に初飛行を果たしました。MiG-21の後継機として設計され、アルチョム・ミコヤンが関わった最後の機体となります。また、NATOでは「フロッガー」という名称で知られています。

開発背景と技術的特徴

1960年代、ミグ設計局はSTOL（短距離離着陸）やVTOL（垂直離着陸）を考慮した新型機の開発を指示され、これに対応するために可変翼機の研究を進めました。特に、可変翼設計は高速度飛行時には翼を後退させ、低速や離着陸時には前に伸ばすことができるため、運用の柔軟性が向上します。このような設計思想はF-111やF-14といった他国の戦闘機にも表れており、MiG-23もその一羽でした。

MiG-23の設計詳細

MiG-23は、主翼に可変後退翼を採用しており、翼の後退角は手動で調整されることが特徴です。また、後期型では一部自動制御が導入され、機動性能が向上しました。機体にはH型の尾翼と油圧式のベントラルフィンがあり、ローリング安定性を高める工夫が施されています。レーダーは初期型では制限されていましたが、後の改良型では高性能な火器管制レーダーが装備され、戦闘能力が大幅に向上しました。

武装と運用能力

MiG-23は、胴体中心に23mmのGSh-23L機関砲を搭載し、ハードポイントには様々なミサイルや爆弾を装備できます。空対空ミサイルや空対地ミサイルが使用可能で、空中戦および対地攻撃の両方に対応しています。このため、MiG-23は単なる制空戦闘機というよりは、多用途戦闘機としての機能を持つことが求められました。特に、MiG-27という派生型は、対地攻撃に特化して開発されています。

海外への輸出と配備

MiG-23はブルガリアやポーランド、ルーマニアなどの東側諸国にも相当数が輸出されました。アフリカや中東の非同盟諸国でも使用され、特にエジプトやアルジェリアでは戦力としての地位を確立しました。近隣の北朝鮮でも配備されており、特に冷戦期においては各国での運用が見られました。

戦歴

MiG-23は、数々の戦争に参加しており、イラン・イラク戦争や湾岸戦争でも実際に戦闘に投入されました。実戦における戦果は分かれており、しばしば西側製戦闘機と比較されることもありますが、一定の運用実績を残しています。当然、戦闘機としては敵側の指揮や燃料供給の影響により、戦果にはばらつきがありました。

近代化と現在の状況

冷戦終結後、MiG-23の多くは退役しましたが、一部の国では未だに運用されています。スリランカやアンゴラなどで改修型が使用され、近代化改修も検討されています。また、一部の国ではMiG-23が博物館で保存されており、航空史の重要な一部となっています。

結論

MiG-23は、可変翼機としての技術革新を表し、戦闘機の役割を果たしました。その運用履歴や技術的要素は、今なお航空ファンだけでなく、多くの軍事関係者にとって fascinationの的となり続けています。

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