Microsoft Photo Editor

Microsoft Photo Editor（マイクロソフト フォトエディター）は、かつてマイクロソフトがWindowsやMacintosh向けに販売していたオフィススイート、Microsoft Officeに付属していた写真編集ソフトウェアです。Office XPまでは標準で搭載されていましたが、Microsoft Office 2003からは搭載されなくなり、代わりに基本的な画像補正編集機能を備えたファイル管理ツールであるMicrosoft Office Picture Managerが添付されるようになりました。これらのソフトウェアは、いずれも単体での販売は行われませんでした。

主な機能

Photo Editorには、以下のような機能が搭載されていました。

TWAIN対応機器からの画像取り込み: スキャナなどのTWAIN対応機器から直接画像を取り込むことができました。
トリミング: 画像の一部分を切り抜くことができました。
ズーム（拡大表示）: 画像を拡大して表示することができました。
ぼかし・シャープ効果: 画像にぼかしやシャープネス効果を適用することができました。
サイズ変更: 画像のサイズ（ピクセル数）を変更することができました。
画像の回転: 画像を指定した角度で回転させることができました。
ネガ・ノイズ除去などの効果: 画像のネガ反転やノイズ除去などの効果を適用することができました。

関連ソフトウェアの経緯

Photo Editorと関連するソフトウェアは、Microsoft OfficeやWindowsの標準機能として、その使用権保有者に提供されてきました。以下に、その経緯を詳しく説明します。

Microsoft Officeの付属ソフトウェア

Microsoft Photo Editor: Microsoft Office XPまで標準で付属していました。本格的な画像編集機能を提供していました。
Microsoft Office Picture Manager: Microsoft Office 2003、2007、および2010に付属していました。Photo Editorと比較して、編集機能は大幅に削減されましたが、基本的な画像補正やファイル管理が可能でした。Office 2013以降は標準搭載されませんでしたが、SharePoint Designer 2010をダウンロードし、スタンドアロンアプリとしてインストールすることで利用可能でした。

Microsoft WindowsのOS標準機能

Windows 画像と FAX ビューア（通称：Windows Photo Viewer）: Windows XPのOSシステムにdllファイルとして組み込まれて動作していました。独立したexeファイルは存在しませんでした。簡単な画像閲覧機能に特化していました。
Windows フォト ギャラリー: Windows VistaでWindows 画像と FAX ビューアの後継として置き換えられました。より多機能な画像管理・編集機能を提供していました。
Windows Live Essentials (Windows Essentials): Windows 7, 8では、初期インストール状態ではバンドルされず、別途Windows Updateを介してインストールできる特典扱いの独立したソフトウェアとなりました。Windows 8.1には公式には非対応でした。
* フォト（Microsoft Photos）: Windows 10に標準搭載され、ストアでも無償配布されているメトロアプリ（Universal Windows Platform app; UWP）です。写真だけでなく動画編集や自動分類も可能です。マイクロソフトは公式に「Picture Manager の後継」であると発表しています。

まとめ

Microsoft Photo Editorは、かつてOfficeに付属していた強力な写真編集ソフトでしたが、Microsoft Office Picture Managerを経て、現在はWindows標準の「フォト」アプリへとその役割が引き継がれています。各ソフトウェアは、それぞれ時代背景やユーザーニーズに合わせて進化しており、その変遷を知ることで、写真編集ソフトウェアの歴史を垣間見ることができます。

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