Mikoto

Mikotoは、Metasequoiaという3Dモデリングソフトウェア向けに開発された、ボーンとモーション編集のための外部ツールでした。このツールは、3Dモデルに骨格（ボーン）を設定し、それを利用してアニメーションを作成する作業を支援するものでした。

特に、Mikoto 0.4e以降のバージョンには、Web3DプラグインであるMikoto Playerが搭載されていました。このプラグインによって、作成されたアニメーションをWeb上で再生することが可能になり、3Dコンテンツの共有やプレゼンテーションの幅を広げることに貢献しました。

Mikotoの大きな特徴の一つとして、独自のスフィリカルデフォーム（SDEF）と呼ばれる変形技術が挙げられます。これは、モデルのメッシュを球状に変形させることで、より自然な関節の動きや、有機的な変形を可能にする技術です。SDEFは、従来の線形変形に比べて、より複雑で滑らかな変形を実現できるため、キャラクターアニメーションなどにおいて非常に有効でした。このSDEFは、その後、Metasequoia用のボーンプラグインであるKeynoteや、MikuMikuDanceといった他の3Dアニメーションツールにも引き継がれ、広く利用されるようになりました。

また、Mikotoでは、独自のファイル形式である.mkm形式を使用していました。この形式は、Mikotoで作成されたボーンやモーションのデータを保存するために用いられていました。興味深いことに、この.mkm形式を直接読み込むことができるソフトウェアも存在しています。たとえば、ToyStudioやMechaStudioなどがその例として挙げられます。これらのソフトウェアは、Mikotoで作成されたデータを直接利用できるため、既存のアセットを有効活用することが可能でした。

Mikotoは、その開発は終了しましたが、その技術や影響は、3Dモデリングやアニメーションの分野において、今もなお受け継がれています。特に、SDEFのような革新的な技術は、他のツールやソフトウェアにも影響を与え、3Dコンテンツ制作の表現力を大きく向上させました。Mikotoの開発を通じて得られた知見は、現代の3D制作技術の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。


関連ツール
MechaStudio
RokDeBone
* CLIP STUDIO ACTION

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