Minecraft Earth

Minecraft Earth：拡張現実で広がるMinecraftの世界

『Minecraft Earth』は、Mojang StudiosとBlackbird Interactiveが共同で開発し、Xbox Game Studiosからリリースされた、拡張現実（AR）と位置情報を活用したサンドボックスゲームです。世界中で人気のビデオゲーム『Minecraft』のスピンオフ作品として、2019年5月に発表され、AndroidとiOSのプラットフォームで基本プレイ無料で提供されました。

ゲーム内容

Minecraftの世界観を踏襲しつつ、建築、資源収集、クラフト、探索といった要素をAR技術と融合させたのが本作の特徴です。プレイヤーは「ビルドモード」で、他のプレイヤーと協力しながら拡張現実の構造物を「ビルドプレート」上に建設し、「プレイモード」で実際のサイズで探索することができました。ビルドプレートは、スマートフォンのカメラを通して現実世界に重ねて表示され、ARならではの没入感を実現していました。

資源は、ゲーム内マップ上の「タッパブル」を収集したり、「アドベンチャー」をクリアすることで入手できました。アドベンチャーでは、パズルの解決や敵との戦闘など、様々なチャレンジが用意されていました。また、現実世界の地形を考慮したシステムにより、ARシミュレーションにおける干渉が少ない設計となっていました。

多彩なモブと通貨

Minecraft Earthには、オリジナルのMinecraftに登場するモブの限定バリエーションを含む、様々な「モブ」が登場しました。ゲーム内通貨としては、「ルビー」と「マインコイン」の2種類が存在しました。ルビーはゲームプレイを通じて獲得できるほか、現実のお金で購入することも可能で、ビルドプレートなどのアイテム購入に使用できました。一方、マインコインはMinecraftのBedrock Editionで使用できる通貨で、現実のお金でのみ購入でき、テクスチャパックやスキンなどの装飾アイテムの購入に使用できました。

開発とリリース

Minecraft Earthは、マップ情報にOpenStreetMapのデータを使用し、拡張現実機能にはMicrosoft Azureを活用して構築されました。2015年のMicrosoft Buildでは、Minecraftの拡張現実バージョンが初めて公開され、2019年5月には、Minecraftの10周年を記念するイベントで正式に発表されました。

2019年7月には、シアトルとロンドンでiOS向けの非公開ベータ版がリリースされ、その後、ストックホルム、東京、メキシコシティにも拡大されました。Androidユーザーも同年8月にベータ版へのアクセス権を獲得し、2019年10月にはアイスランドとニュージーランドで早期アクセス版がリリースされました。その後、数週間かけて他の国々にも展開され、同年12月にはグローバルで利用可能となりました。

サービス終了

しかし、2021年1月5日、開発元のMojang Studiosは、COVID-19パンデミックの影響を理由に、Minecraft Earthの最終ビルドをリリースすることを発表しました。そして、同年6月30日をもって、Minecraft Earthのサポートは終了しました。

評価と受賞

Newshubは本作を「非常に野心的」と評し、Sensor Towerは、リリース初週に140万回ダウンロードされたと報告しました。また、本作はゲーム・クリティクス・アワードで「最優秀VR/ARゲーム」部門にノミネートされ、ニューヨークゲームアワーズで「コニーアイランド・ドリームランド賞」の最優秀AR/VRゲーム部門を受賞しました。さらに、タイム誌はMinecraft Earthを2019年の最優秀発明100選の一つに選出しました。

サービス終了後の展開

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のDLCとしてMinecraftのキャラクタースキンのスティーブが追加された際、本作の楽曲「Earth」のアレンジ曲もBGMとして採用されました。また、『Minecraft Dungeons』のファウナ・フェアアドベンチャーパスでは、本作に登場した限定モブがペットとして登場しました。

Minecraft Earthは、短い期間でのサービス提供となりましたが、AR技術を活用した新しいMinecraft体験を提供し、多くのプレイヤーに感動を与えました。

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