Minori

minori（みのり）は、かつて存在したアダルトゲームブランドです。元々は株式会社コミックス・ウェーブのソフトウェア事業部でしたが、2007年3月の会社分割に伴い、同年4月からは株式会社ミノリのブランドとして活動していました。代表取締役兼プロデューサーは酒井伸和氏。

ブランド名のminoriは、「We always keep minority spirit.（我々は常に少数派精神を保つ）」というキャッチフレーズに由来するとされ、「実り」との掛詞にもなっています。

特徴

minori作品の特徴は、群像劇の手法とインタラクティブ・ノベルという表現方法です。秀逸な映像的手法を用いた作品は高い評価を得ており、登場する女性キャラクターの強い意志が際立っている点が挙げられます。特に、キャラクターを深く掘り下げる問い詰めシーンは印象的です。

アダルトゲーム業界では、特定の原画家がブランドの顔となることが多いですが、minoriは殆どの作品で原画を変えるという珍しい試みを行っていました。また、初期の作品では新海誠氏がオープニングムービーを制作していたことでも知られています。

背景描写へのこだわりも特筆すべき点です。他のアダルトゲームの背景も手掛けており、スタッフロールにはスペシャルサンクスとしてブランド名や所属スタッフの名前が記載されていました。

コミックマーケットでの限定商品販売にも力を入れており、詳細な注意事項や紹介文、ボイスによる商品紹介、リアルタイムでの在庫情報更新など、独自の取り組みを行っていました。

アニメ化作品

minoriの作品は、アニメ化もされています。2004年には『Wind -a breath of heart-』がRADIXによって、2007年から2008年にかけては『ef - a fairy tale of the two.』がシャフトによって2期にわたって放送されました。

海外アクセス遮断

2009年6月23日より、公式サイトへの日本国外からのアクセスを遮断していました。海外からアクセスすると、「我らの文化を守るため、海外からのアクセスを遮断しました。」という趣旨のメッセージが表示される措置が取られていました（2018年1月時点でも遮断は継続）。

この背景には、当時イギリスで日本製アダルトゲームが海外業者によって無断輸出される問題が発生し、日本国内でも児童ポルノ禁止法などの規制強化の動きが強まっていたことがあります。酒井氏は、海外や国内団体から業界への抗議があったことを明かし、対策として日本国内に制限する意向を示しました。なお、minoriの作品は元々日本語版Windowsでのみ動作するように設計されていました。

その他の活動

2009年から2018年まで、秋葉原電気外祭り（電気外祭り）を主催していました。

ブランドの終焉

2013年のインタビューでは、制作コストの問題から継続が困難であることが示唆されていました。そして2019年2月28日、『その日の獣には、』を最後にソフトウェア制作を終了し、ブランドは解散しました。

解散後

2020年6月19日発売の『ATRI -My Dear Moments-|ATRI_-My_Dear_Moments-』のスタッフロールに、背景協力としてクレジットされています。

関連人物

酒井伸和
御影
鏡遊
天門

関連項目

* 秋葉原電気外祭り

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