Miss M

アルバム『Miss M』の概要

『Miss M』は、竹内まりやの4作目のオリジナル・アルバムで、1980年12月5日にRCA（現・ソニー・ミュージックレーベルズ）から発売されました。本作は、特にアメリカの音楽シーンとの結びつきが強い作品であり、ロサンゼルスで録音された“LAサイド”と、日本のバンド形式で録音された“Tokyoサイド”の二つの側面を持っています。

LAサイド

アナログのA面である“LAサイド”は、エアプレイという名義でアルバムをリリースしたデイヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンが全面的にプロデュースし、ロサンゼルスで録音されました。この面には、ジェフ・ポーカロ、スティーブ・ルカサー、デヴィッド・ハンゲイトを含む“TOTO”のメンバーが参加しており、エアプレイのアルバムと同じ顔触れが揃っています。これにより、本作は1980年代中盤から90年代にかけての音楽シーンの先駆けとなりました。

Tokyoサイド

一方、アナログのB面である“Tokyoサイド”では、竹内まりや自身が作曲を手がけ、国内のバンド形式でレコーディングが行われました。この面には「二人のバカンス」以外の楽曲が収録されており、よって竹内の創造力が色濃く反映されています。

セールスと音楽的意義

『Miss M』は、前作のメガヒットアルバム『LOVE SONGS』には及ばなかったものの、竹内まりやにとって自作曲の割合が増えてきた意欲的な作品となりました。これらの楽曲は、彼女の音楽的成長を示す重要なポイントとされています。

アートワーク

アルバムのジャケットにある“ミ”の刺しゅう入りセーターは、作家の橋本治によって手編みされたもので、彼女の創作チームとの共同作業から生まれました。彼女の技術やデザインセンスは、このアルバムに対する特別な魅力を醸し出しています。もともとこのデザインは、趣味の域を超えていると評価されており、ジャケットデザインの一環として特別に依頼された経緯があります。

収録曲

• - SIDE A (L.A. Side)

1. Sweetest Music
2. Every Night
3. Morning Glory
4. Secret Love
5. Heart to Heart

• - SIDE B (Tokyo Side)

1. 二人のバカンス
2. 遠く離れて (When you're so far away)
3. 雨のドライブ
4. Farewell Call

クレジット

本作のプロデュースを手がけたのは宮田茂樹と村上優で、音楽的なサポートも豊富です。また、リリースに際して収録曲には多くの才能が協力しています。ジャケットのアートディレクションは橋本治がデザインしており、写真はAlan Levensonによるものです。

40周年記念リマスター盤

2018年には、デビュー40周年を記念したリマスター盤がリリースされ、オリジナル収録曲のリマスタリング音源とボーナストラックが追加されました。これに伴うブックレットには、竹内とのインタビューを基にしたライナーノーツがあり、彼女の音楽への思いを深く掘り下げています。

『Miss M』は、竹内まりやの音楽キャリアの中での重要なマイルストーンであり、多くのリスナーに影響を与え続けている作品です。

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