Miss You (今井美樹の曲)

今井美樹「Miss You」：ドラマ主題歌から生まれた名曲の軌跡

1994年7月18日、フォーライフ・レコード（現・フォーライフミュージックエンタテイメント）より発売された今井美樹10枚目のシングル「Miss You」。日本テレビ系ドラマ『禁断の果実』の主題歌として書き下ろされたこの曲は、今井美樹の代表曲の一つとして、現在も多くのファンに愛され続けています。

タイアップと作詞秘話：運命的な出会い

「Miss You」は、作曲を担当した布袋寅泰による曲先に、作詞家の岩里祐穂が詞をつけた作品です。当初は今井美樹自身作詞の予定でしたが、様々な事情から岩里祐穂へと変更。唯一決まっていた「I miss you」というフレーズを基に、ドラマの世界観と見事に調和した歌詞が生まれました。さらに、制作スタッフのアイデアにより、1番と2番の歌詞が入れ替えられるという、意外なエピソードも存在します。岩里祐穂は、この修正依頼に戸惑いつつも、構成を練り直し、完成度の高い歌詞に仕上げました。

今井美樹と「Miss You」：楽曲との葛藤と一体化

今井美樹は、この曲を当初は非常に難しいと感じていたそうです。布袋寅泰独特の曲調を理解するのに苦労し、どのように表現したらいいのか悩んだといいます。しかし、岩里祐穂による歌詞が加わりレコーディングが進むにつれて、「Miss You」は彼女の心と体に徐々に溶け込んでいき、忘れられない楽曲となったのです。楽曲制作における葛藤と、最終的な一体感というプロセスは、この曲の深みと完成度の高さにつながっていると言えるでしょう。

オリコンチャート1位とセールス：記録に残る成功

「Miss You」は、発売と同時にオリコンシングルチャートで1位を獲得。これは今井美樹にとって2作目の1位獲得シングルとなり、彼女のシングルの中でも3番目に高い売上を記録しました。この成功は、楽曲の質の高さと、ドラマとの相乗効果による注目度の高さを示しています。同時期に上田知華も「Miss You」というタイトルの楽曲を発表していましたが、両曲は全く異なる作品です。

収録楽曲とカバー：時を超えて愛される名曲

シングルには、表題曲「Miss You」に加え、今井美樹作詞の上田知華作曲による「輝く街で」、そして「Miss You」のインストゥルメンタルバージョンが収録されています。さらに、「Miss You」は多くのアーティストにカバーされており、美吉田月（アルバム『LOVE GIFT〜pure flavor extra〜』、2008年）、JUJU（カバーアルバム『Request II』、2014年）など、世代を超えて愛され続けていることがわかります。

まとめ：不朽の名曲「Miss You」

「Miss You」は、ドラマ主題歌、作詞作曲陣、そして今井美樹自身の想いが一つとなり生まれた、名実ともに今井美樹の代表曲です。その制作過程にまつわるエピソードや、チャートでの成功、そして現在も続くカバーの歴史は、この楽曲が持つ普遍的な魅力を物語っています。多くのリスナーの心に響き渡る「Miss You」は、これからも時代を超えて愛され続けるでしょう。

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