Mission Controlは、macOSに搭載されているウィンドウ管理
機能であり、その前身であるExposé(エクスポゼ)はMac OS X v10.3(Panther)から導入されました。
Mac OS X LionでMission Controlとして統合され、デスクトップ上のウィンドウを一時的に整列させる
機能として提供されています。
他のウィンドウシステムにもウィンドウの並び替えや最大化、最小化といった
機能は存在しますが、ExposéおよびMission Controlの特徴は、ウィンドウを縮小表示して一覧できる点と、モード終了後にウィンドウが元の位置に戻る点にあります。これにより、多数のウィンドウが開いている状態でも、目的のウィンドウを素早く見つけて操作することができます。
Mission Controlの機能概要
Mission Controlには、3つの主要な整列モードがあります。これらのモードは、設定によってキーボードショートカットだけでなく、マウスカーソルを画面の角に移動させたり、マウスボタンの操作によって起動することも可能です。
1.
全ウィンドウ整列:
- 動作中のすべてのウィンドウを画面上に並べて表示します。デフォルトでは(⌃ Control+↑)キーに割り当てられています。
- Exposeでは、実行中にTabキーを押すと「アプリケーションウィンドウ整列」に切り替えることができました。
2.
アプリケーションウィンドウ整列:
- 最前面のアプリケーションが管理するウィンドウのみを画面上に並べて表示します。Exposéでは、他のアプリケーションのウィンドウは薄暗く表示されました。
- デフォルトでは(⌃ Control+↓)キーに割り当てられています。
3.
デスクトップ表示:
- すべてのウィンドウを画面外に一時的に退避させ、デスクトップを全面表示します。
- デフォルトではF11キーに割り当てられています。
全ウィンドウ整列とアプリケーションウィンドウ整列では、ウィンドウが適切なサイズに縮小され、画面内にすべて収まるように調整されます。
Mac OS X v10.5までは、ウィンドウの元のサイズの比率が維持されていましたが、Mac OS X v10.6以降は、ウィンドウはタイル状に整列して表示されるようになりました。配置は、重心の位置などを考慮して自然な配置が計算されます。ウィンドウを整列表示後、特定のウィンドウをクリックすると、そのウィンドウが最前面に表示され、元の位置に戻ります。
Mission Controlの動作は非常に高速で、古いG3マシンでも快適に動作します。これは、macOSのウィンドウサーバーの構造が、個々のウィンドウの描画内容を独立して計算し、その結果を画面に合成するという構造であるため、等倍表示でも縮小表示でも負荷に大きな違いがないためです。
[Mac OS X v10.4]では、Exposéの技術を応用した
Dashboardが搭載され、ウィジェットを表示・管理することが可能になりました。
Mission Controlは、多くのウィンドウを同時に扱うユーザーにとって非常に便利な
機能であり、ウィンドウの整理とアクセスを効率化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる重要な要素です。
関連項目
外部リンク