Mk.VIIテトラーク軽戦車

Mk.VII テトラーク軽戦車

Mk.VII テトラークは、イギリスが第二次世界大戦中に開発し、使用した軽戦車です。この車両は空挺戦車としても活躍したことが特徴です。「テトラーク」という名称は、古代ローマの四帝分割を意味する言葉に由来しています。

開発の背景

1937年、ビッカース・アームストロング社は、Mk.VI軽戦車の後継車両を独自に開発することを決定しました。試作車が1937年12月に完成し、1938年には軍の試験を経てA17軽戦車として制式採用されました。

テトラークの設計には、従来のホルストマン式懸架装置が廃止され、新型の懸架装置が採用されました。特にユニークな点は、大型転輪が片側に4つ配置され、方向転換時には前2つの転輪を操向し、履帯を直接曲げることができる設計のため、運転は自動車式ハンドルで行うことが可能でした。

実戦での運用

1940年から生産が開始されたテトラークですが、ダンケルクの戦いを経て、イギリス陸軍はドイツの機甲部隊に対抗するため、巡航戦車や歩兵戦車の生産に傾注しました。それに伴いテトラークの生産は一時中断されました。

量産型が1940年11月にやっと引き渡され、177輌が生産されましたが、1941年には爆撃によってメトロ・カルテル社の工場が被害を受け、再度の生産中止に至りました。

一部のテトラークはソ連にレンドリースされ、北部イランに配置された部隊で使用されました。これらの戦車は南コーカサスでの戦闘に参加したものの、評価はあまり芳しくなく、アフリカ戦線での運用には向いていませんでした。そのため、一線から退くことになります。

空挺戦車としての運用

その後、イギリス軍の空挺部隊がテトラークに注目し、1943年には空挺部隊に改装され、グライダーに搭載される空挺戦車として使用されることになりました。特に1944年のノルマンディー上陸作戦では、GAL-49 ハミルカーと共に実戦に投入され、その後もライン川渡河作戦にも少数ながら参加しました。

テトラークは第二次世界大戦後も空挺部隊で使用されていましたが、グライダーの廃止に伴い、1949年に退役しました。

派生型

• - テトラークI CS: 近接支援を目的に3インチ榴弾砲を搭載。
• - テトラーク DD: 水陸両用戦車として改装され、キャンバスにより浮力を得る設計。
• - Mk.VIII ハリー・ホプキンス軽戦車: ビッカース社製の後継車両で、装甲や形状が強化されています。

登場作品

テトラークはさまざまなゲームやメディアに登場しています。オンラインゲーム『War Thunder』ではイギリス陸軍の軽戦車として、『World of Tanks』ではソ連の軽戦車Tetrarchとして利用可能です。また、『ガールズ&パンツァー リボンの武者』では聖グロリアーナ女学院のチームが使用する主力戦車としても登場しています。

外部リンク

• - ウィキメディア・コモンズにて、Mk.VIIテトラーク軽戦車に関するカテゴリが用意されています。

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