Mr.ASIA

Mr.ASIA

『Mr.ASIA』（ミスター・エイジア）は、1987年5月21日にリリースされたチャゲ&飛鳥（現：CHAGE and ASKA）の9作目のオリジナルアルバムです。アルバムのタイトルにもなっているこの楽曲は、彼らの生演奏と音楽的探求を反映した作品として多くのファンに支持されています。リリース元はキャニオン・レコード（現在のポニーキャニオン）であり、アルバムはその後も様々なフォーマットで再発売されました。

アルバムの背景

『Mr.ASIA』は、前作『MIX BLOOD』から約8ヶ月、アナログ版専用のミニアルバム『Snow Mail』からは約5ヶ月半の時間をおいて発表されました。1986年の大晦日、チャゲ&飛鳥はロンドンを訪れ、フジテレビ系の特番『世界紅白歌合戦』に出演しました。この国際的な舞台で得た体験は、アルバム全体に大きな影響を与えたとされています。

また、彼らのバックバンドであるTHE ALPHAが解散したため、アルバム制作には新たなスタジオミュージシャンが多数参加しました。そのプロセスは、次期バックバンドのオーディションも兼ねて進行されました。

コンサートツアー

アルバムリリースの前後には、コンサートツアー『We Shall Return』が展開されました。特に、1987年6月には国立代々木競技場第一体育館でのコンサートがあり、1990年には大阪の万博記念競技場でも公演が行われました。冬のシーズンには「X'mas Special '87」と題したツアーも実施され、ファンとの距離を縮める貴重な機会となりました。

リリース履歴

このアルバムは、1987年発売後もさまざまな形態で再リリースされました。1989年にはGOLD CDとして発売され、1990年や1999年にはCD版、さらには2009年にはSHM-CDとして紙ジャケット仕様で再登場しました。これにより、新しい世代のリスナーにもその魅力が伝わる機会が増えました。

収録曲について

『Mr.ASIA』には、数々の印象深い楽曲が収められています。特にタイトル曲の「Mr.ASIA」は、ロンドンの経験を色濃く反映しており、後にシングル「ロマンシングヤード」のカップリングとしても発表されました。楽曲「LONDON POWER TOWN」には、ASKAが新年を迎えたロンドンの街の祭りの様子が描写されており、アルバム全体にわたって彼らの音楽を多様に表現しています。

曲のアレンジには、十分なクリエイティビティが発揮されています。具体的なトラックとしては、シングルとしてリリースされた「SAILOR MAN」や「どのくらい 'I love you'」もあり、後のアルバム『Yin&Yang』にも収録されています。彼らの音楽スタイルの幅広さと深さが感じられる作品です。

参加ミュージシャン

アルバムには、様々なスタジオミュージシャンが参加しました。ドラムには山木秀夫や青山純、バスには富倉安生や岡沢茂、エレキギターに北島健二や角田順などが名を連ねています。また、バックグラウンドバーカルには浜田良美らが参加しており、これによって音楽的なバリエーションが増しています。

まとめ

『Mr.ASIA』は、チャゲ&飛鳥の音楽キャリアにおいて重要な一石を投じたアルバムであり、彼らの成長や音楽的な探求が色濃く反映されています。リリース当初から数十年を経た今でも、彼らの音楽が愛され続ける所以は、時代に左右されない普遍的な魅力と、丁寧な制作によるものでしょう。

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