Mr.Children 1992-1995

Mr.Childrenの軌跡を凝縮したベスト盤『Mr.Children 1992-1995』

2001年7月11日、日本の国民的バンドMr.Childrenのベストアルバム『Mr.Children 1992-1995』が、同時発売された『Mr.Children 1996-2000』と共にリリースされました。ファンから「肉」の愛称で親しまれる本作は、千葉県市原ぞうの国のサイ「ダイスケ」（2004年没）が写されたインパクトのあるジャケット写真が特徴です。アートディレクションは信藤三雄が担当しています。全楽曲がリマスタリングされ、当時最高のサウンドクオリティで収録されています。

解散の危機からの転機とアルバム制作

前作アルバム『Q』制作後、ボーカルの桜井和寿はバンドの将来に危機感を抱き、解散も視野に入れていました。しかし、メンバーそれぞれのレベルアップを目指し、桜井が制作したポップな楽曲をセッションした際に新たな可能性を感じ、バンドの歩みを振り返るベストアルバム制作に着手しました。このアルバムは、当時リリースされた新曲「優しい歌」のプロモーションも兼ねていたと語られています。

選曲と未収録楽曲への言及

収録曲は、それまでのシングルとアルバムから厳選された楽曲で構成されています。シングル曲は、6thシングル『Tomorrow never knows』のアルバムバージョンを除き、すべてシングルバージョンが収録されています。新曲やアルバム未収録曲は一切収録されていませんが、桜井はB面曲集や裏ベストアルバム的な作品を作りたかったと発言しており、それらの企画が存在した可能性が示唆されています。その後、2007年のデビュー15周年を記念して、それまでアルバム未収録だったシングルB面曲を集めた『B-SIDE』がリリースされました。

ライナーノーツと誤植問題

歌詞カードには詳細なライナーノーツが掲載されていますが、初回出荷分には誤植（特に年表）が多く、後日、希望者に改訂版が送られるという対応がなされました。また、アルバム紹介ページでは、5thアルバム『深海』収録の「ゆりかごのある丘から」が「ゆりかごのある丘」と誤記されているというミスも見られます（『Mr.Children 1996-2000』でも同様の誤記が見られました）。

ライブツアーとチャートにおける成功

本作の発売後には、ライブツアー『Mr.Children CONCERT TOUR POPSAURUS 2001』が開催されました。このツアーでは、初期から最新曲まで幅広い楽曲が演奏され、特定の年代に偏らないセットリストが特徴でした。

商業的な成功も収め、TSUTAYAのレンタル回数においては2017年9月時点で累計348万回以上を記録し、ベスト盤として歴代4位を記録するなど、ロングセラー作品となりました。オリコンチャートでは初動120.2万枚を記録、累積売上は240.5万枚に達し、『Mr.Children 1996-2000』と共に1位、2位を独占しました。2作合計の初動売上は200万枚を超え、L'Arc〜en〜Ciel以来となる同一アーティストによる2作同時100万枚突破という快挙を達成しました。また、オリコンチャート登場週数は300週を突破し、2012年には『Mr.Children 2001-2005 』『Mr.Children 2005-2010 』が1位、2位を独占したチャートで、約10年7ヶ月ぶりにTOP10に返り咲くなど、時代を超えて愛され続ける作品となっています。

収録内容

本作には、Mr.Childrenの代表曲の数々が収録されています。シングル曲はもちろんのこと、『Kind of Love』『Versus』『Atomic Heart』といったアルバムからの代表曲も収録。これらの楽曲は、日本の音楽史に大きな足跡を残す名曲ばかりです。演奏には、Mr.Childrenのメンバーに加え、小林武史氏をはじめとした数々のミュージシャンが参加し、楽曲に深みと彩りを加えています。

まとめ

『Mr.Children 1992-1995』は、Mr.Childrenの音楽史において重要な位置を占めるベストアルバムです。バンドの歩み、そして日本の音楽シーンにおけるMr.Childrenの存在感を改めて感じさせてくれる、まさにマスターピースと言えるでしょう。

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