N503iS

N503iS HYPER：進化したmova端末

NECがNTTドコモ向けに製造した第二世代携帯電話、N503iS HYPERは、前身モデルであるN503iをベースに改良が加えられた機種です。movaサービスを提供していた時代を代表する端末の一つとして、多くのユーザーに利用されました。

N503iからの進化

N503iS HYPERの最大の特徴は、N503iからの改良点にあります。まず、液晶ディスプレイは、視認性の高いTFT液晶へと進化しました。前モデルのTFD液晶と比較して、明るさと鮮明さが向上し、より快適な操作性を実現しています。

さらに、N503iS HYPERでは、サブディスプレイが初めて搭載されました。N50Xシリーズで初採用となったこの機能は、着信やメール受信といった重要な情報を、メインディスプレイを確認することなく把握できる利便性を提供しました。

また、iアプリの保存件数が30件へと増加したことも大きな改良点です。ユーザーはより多くのアプリケーションを携帯電話に保存できるようになり、機能の拡張性も向上しました。

米倉涼子キャンペーン

NTTドコモ関西では、iモード契約500万件突破を記念して「サンクスミリオンフェア」を開催。当時イメージキャラクターを務めていた米倉涼子さんの待受画面や着信ボイスをプリインストールした特別なN503iS HYPERが、数量限定で販売されました。この限定モデルは、「ルミナスホワイト」というカラーに、特製のエンブレムとラメが施された、プレミアムな仕様となっています。5000台限定という希少性も相まって、多くのユーザーから注目を集めました。興味深いことに、米倉涼子さんはその後、2020年からは楽天モバイルのイメージキャラクターを務めることになります。

開発とサービス終了

N503iS HYPERは、2001年5月21日に電気通信端末機器審査協会による技術基準適合認定の設計認証を取得。その後、テレコムエンジニアリングセンターによる工事設計認証を経て、2001年8月22日にNTTドコモから発表され、同年8月27日に発売されました。movaサービスの終了に伴い、2012年3月31日を最後にサービスは終了し、使用できなくなりました。

関連機種

N503iS HYPERは、N503iの後継機種として位置付けられていますが、N504iや他のNEC製のmova端末、例えばN210iなどとも関連があります。これらの機種は、それぞれ異なる機能やデザインを備えていますが、同じmovaサービスを提供していたという共通点があります。

まとめ

N503iS HYPERは、N503iを継承しながらも、TFT液晶、サブディスプレイ、iアプリ保存件数の増加など、多くの改良が施されたmova端末でした。米倉涼子さんのキャンペーンも記憶に残るものであり、当時の人々の携帯電話利用状況を反映したモデルと言えるでしょう。その歴史は、日本の携帯電話の歴史の一端を担っています。

もう一度検索