NANA (曲)

「NANA」は、1986年10月15日にリリースされた日本のロックバンド、チェッカーズの12枚目のシングルです。キャニオン・レコードから発売されました。

このシングルは、チェッカーズにとって初のメンバーオリジナル作品という点で特別な意味を持ちます。それまでのシングルとは異なり、メンバー自身が作曲を手掛けたことで、よりバンドの色が濃く反映された楽曲となりました。

「NANA」は、チェッカーズの中期を代表する楽曲の一つとして、ツアーで非常に多く演奏されました。その回数は13回に及び、デビュー曲である「ギザギザハートの子守唄」に次いで2番目に多いという記録を持っています。1986年の「FLASH TOUR」では、オープニングとラストの2回にわたって演奏され、文字通り「NANA」で始まり「NANA」で終わるという破格の待遇を受けました。このことからも、当時のバンドの人気と、この楽曲への期待の高さが伺えます。

現在でも、ボーカルの藤井フミヤがライブで頻繁に歌う楽曲として知られています。アブラーズ再結成時のライブ（徳永氏存命時）にフミヤがゲスト出演した際にもこの曲が披露され、世代を超えて愛される楽曲であることが示されました。楽曲のタイトル「NANA」は、藤井フミヤによると「水系と演歌系の名前の中間が良いと思って」名付けられたとのことです。

歌詞の一部に性的な表現を連想させる箇所があったため、当時NHKでは放送禁止となりました。そのため、出演していた歌番組では急遽B面曲を演奏するなどの対応を余儀なくされました。しかし、2021年時点では放送基準の変化もあり、NHKでの放送禁止措置は解除されました。2021年3月27日には、BSプレミアムで放送された特別番組で初めて歌唱されました。

「NANA」は、2002年に藤井フミヤが発売したセルフカバーアルバム「Re Take」にてセルフカバーされ、テレビ朝日系ドラマ「早乙女タイフーン」のオープニングテーマとして使用されました。また、2004年には及川光博がアルバム「GOLD SINGER」でカバーするなど、他のアーティストにも影響を与えています。

編曲のクレジットは「チェッカーズ、八木橋カンペー」とされていますが、アルバム「GO」の歌詞カードでは「CHECKERS FAM.」に変更されています。「THE CHECKERS FAM」は、チェッカーズとアンディー檜山、八木橋カンペーによるユニットで、解散までシングル曲の編曲者としてクレジットされました。

さらに、「NANA」は、テレビ朝日系の音楽番組「ミュージックステーション」の第1回放送で最初に演奏された曲でもあります。このことからも、この楽曲が当時の音楽シーンにおいて重要な位置を占めていたことがわかります。

収録曲

1. NANA
作詞：藤井郁弥
作曲：藤井尚之
編曲：チェッカーズ、八木橋カンペー
テレビ朝日系 土曜ナイトドラマ「早乙女タイフーン」OPテーマ
2. Mr.BOYをさがして
作詞：藤井郁弥
作曲：鶴久政治
編曲：チェッカーズ、八木橋カンペー
アマチュア時代には「ミスティーレイン」というタイトルで歌われており、歌詞も大幅に異なっていた。


脚注

* 1986年の音楽

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