NBSニュース FNN

長野放送（NBS）がその開局を迎えた1969年4月1日から、2003年6月29日に至るまで、同局のローカルニュース枠で用いられた番組タイトルの一つが『NBSニュース FNN』です。この名称は、主にフジテレビ系列（FNN）の全国ニュースである『産経テレニュースFNN』を、長野放送が独自に編成・放送する際に冠されたローカル向けの差し替えタイトルとして機能しました。

長野放送の歴史と共に歩みを始めたこの番組は、特に昼の時間帯におけるニュース放送において、その名を冠することが通例でした。開局当初から、昼の全国ニュース枠を長野県内の視聴者に向けて放送する際に、『NBSニュース FNN』というローカルタイトルが使用されたのです。これは、系列局が全国ネットの共通タイトルではなく、地域名を冠した独自のタイトルでニュースを放送するという当時の慣行に沿ったものでした。

さらに、番組の放送形態は、時間の経過と共に変化を見せました。1982年4月1日から1993年9月29日までの期間には、平日午後に設けられていた長野放送独自の自主制作枠においても、『NBSニュース FNN』のタイトルが使用されるようになりました。この時間帯では、単に全国ニュースを放送するだけでなく、長野県内のニュースを独自に取材・制作し、伝える役割も担ったと考えられます。ただし、この平日午後の自主制作枠は特定の曜日に限定されており、この時期、木曜日には『中日新聞ニュース』、金曜日には『産経テレニュースFNN』という異なるタイトルでニュースが放送されていました。このように、平日午後のニュース枠においても、曜日によってその内容やタイトルに多様性が見られたことは特筆すべき点です。

番組は、2003年6月29日をもってその歴史に幕を下ろしました。これは、長野放送におけるローカルニュース番組のタイトルが、『NBSニュース』という名称に一本化・統合されたことによるものです。長年にわたり、昼の差し替えニュース、そして一時期は平日午後の自主制作ニュースとして機能してきた『NBSニュース FNN』は、この番組名統合に伴い消滅しました。

以下に、番組が放送されていた期間における主な放送時間の変遷を示します。これらの時間帯は、日本標準時（JST）に基づいています。

放送時間の変遷

昼枠

• - 1969年4月1日 - 1975年3月30日:

平日 12時45分から13時00分まで
日曜 11時45分から11時55分まで

• - 1975年3月31日 - 1975年10月3日:

平日 12時30分から12時55分まで
土曜・日曜 11時40分から11時55分まで

• - 1975年10月4日 - 1977年4月3日:

土曜・日曜 11時40分から11時55分まで
※この期間、平日の昼ニュースとしては『FNNニュース12:00』が放送されていました。

• - 1977年4月4日 - 1982年3月31日:

平日 11時50分から12時00分まで
土曜・日曜 11時40分から11時55分まで

• - 1982年4月1日 - 1992年3月29日:

土曜 11時45分から11時55分まで
日曜 11時50分から12時00分まで

• - 1992年4月5日 - 2003年6月29日:

日曜 11時50分から12時00分まで

午後枠

• - 1982年4月1日 - 1993年9月29日:

月曜日から水曜日まで 14時00分から14時05分まで
* この時間帯は、FNNからのニュースを差し替える場合と、長野放送が独自に制作したニュースを放送する場合の双方でこのタイトルが用いられました。前述の通り、この期間の木曜日は『中日新聞ニュース』、金曜日は『産経テレニュースFNN』という番組名でした。

『NBSニュース FNN』は、長野放送の黎明期から長きにわたり、視聴者に昼のニュースを届ける主要な役割を果たしました。また、特定の期間には自局のニュース制作能力を示す場としても機能しました。その終了は、長野放送のニュース番組体系の再編を示す出来事であり、後継となる『NBSニュース』へとその役割は引き継がれました。この番組名の変遷は、ローカルテレビ局におけるニュース放送のあり方や、系列ネット局との関係性の変化の一端を映し出すものと言えるでしょう。

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