NDC (鉄道車両)

NDC軽快気動車の概要

NDCは新潟鐵工所が手がけたローカル線用の軽快気動車のシリーズで、多くの鉄道事業者に採用されています。新潟鐵工所の車両部門を引き継いだ新潟トランシスは、現在もデザインや製造を行っていますが、正式にはNDCの名称を使用していません。このため、本稿では同企業が設計した一般向けの軽快気動車も合わせて考察します。

特徴

NDCは1980年代から1990年代にかけて相次いで登場した地域鉄道向けの軽快気動車の中で、特に富士重工業と新潟鐵工所の車両が主要な二大グループを形成していました。初期のLE-Carシリーズでは、バス技術を応用していましたが、NDCではバス部品が多く使われているものの、車体構造は鉄道車両に近いものに仕上げられています。新潟トランシスに事業が移管された後は、LE-DCの低床技術が取り入れられ、両方の特性を持つ新モデルが登場しています。

廉価な設計故に、車体の安全性に課題があったため、近年は回帰的に一般的な車両構造に近づけられつつあり、TICSという情報制御装置の導入や電車部品との共通化が進められて、安全性とコストの最適化が目指されています。NDCは標準化が進んでいますが、各鉄道事業者や路線のニーズに応じて、車体の長さや幅、内装レイアウト、窓構造、客用扉の配置など、様々な仕様に柔軟に対応することが求められています。

変遷

NDCは30年以上にわたって製造され、数回のモデルチェンジが行われてきました。現行のモデルは第三世代であり、その起源は三陸鉄道の36-100形気動車や国鉄キハ37形にまで遡ります。特に1985年に登場した由利高原鉄道のYR-1000形は試作的な位置付けであり、特異な構造を持っていました。

第一世代は1986年に始まり、NM型は15600mmから18000mmの範囲での設計となっています。第二世代は1992年にJR九州が登場させ、より長いボディを持つ車両が標準化されました。第三世代は2001年に始まり、TICS装備により乗客への情報提供も向上しました。

2003年には完全バリアフリー設計のHSOR-100形が登場し、2007年に登場したNT3000形では定番の低床車両技術が採用され、安全性も考慮されています。これにより、NDCシリーズは多様化し、製品ごとの特徴が強調されるようになりました。

車両の分類

以下にNDCシリーズの車両を長さ別に分類したリストを示します。

• - 15.3m級

- 由利高原鉄道YR-1000形（1985年。廃形式）

• - 16.3m級

- 南阿蘇鉄道MT-2000形（1986年。廃形式）
- 西日本旅客鉄道キハ120形（1992年）

• - 18m級

- 東海旅客鉄道キハ11形（1988年。一部東海交通事業車）
- 肥薩おれんじ鉄道HSOR-100形（2003年）

• - 20.5m級

- 三陸鉄道36-600形（2005年）

このように、NDCシリーズは多様な要求に応じてさまざまな変遷を遂げながら、地域鉄道のニーズに応えるために進化し続けています。

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