NEVER CHANGE (長渕剛の曲)

長渕剛「NEVER CHANGE」：誕生と決意のフォークバラード

1988年5月25日、日本のシンガーソングライター、長渕剛の19枚目のシングル「NEVER CHANGE」がリリースされました。作詞・作曲は長渕剛自身、編曲は長渕剛と瀬尾一三が担当した、アコースティックギターを基調としたフォークバラード作品です。この曲は、前年に女優の志穂美悦子さんと結婚した長渕剛にとって、初めての子となる長女・文音さんの誕生を歌った、感動的な楽曲として知られています。

背景：新たな家族、そして人生の転機

1987年、長渕剛は女優の志穂美悦子さんと結婚しました。入籍のみを考えていた彼でしたが、志穂美さんの希望により、奈良県で挙式を挙げ、志穂美さんは芸能界を引退、専業主婦となりました。そして翌1988年3月17日、長渕さんと志穂美さんの間に長女・文音が誕生します。「NEVER CHANGE」は、この感動的な出来事をきっかけに生まれた楽曲なのです。この曲は、単なる喜びだけでなく、新たな家族、そして人生の新たなステージを迎えた長渕剛の決意が込められています。

音楽性：生命の優しさを歌った静謐なバラード

「NEVER CHANGE」は、アコースティックギターの音色が美しく響き渡る、静謐で厳かな雰囲気のバラードです。長渕剛のヴォーカルは、感情を押し殺したような静けさを保ちつつ、生命の尊さ、家族の温かさ、そして未来への希望を力強く歌い上げています。心臓の鼓動を思わせるようなリズムトラックも楽曲に深みを与え、神秘的な雰囲気を醸し出しています。音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「妻の出産を通して、生命の優しさを歌ったバラード・ナンバー。一貫して静かに歌い上げるヴォーカルや柔らかいギター・サウンド、心臓の鼓動のようなリズム・トラックなど、神秘的で厳かな雰囲気に満ちている」と評されています。

リリースと収録アルバム：様々なバージョンで愛される一曲

「NEVER CHANGE」は、東芝EMIのエキスプレスレーベルからリリースされました。その後、1989年発表のアルバム『昭和』にも収録されましたが、こちらはシングルバージョンとは異なるミックスが施され、赤ちゃんの泣き声が追加されています。また、この曲は『いつかの少年』（1994年）、『YAMATO』（2005年）、『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』(2014年)など、多くのベストアルバムにも収録されており、長渕剛の代表曲として長く愛され続けています。シングルカップリング曲の「STAY DREAM」は、アルバム『NEVER CHANGE』からのシングルカットであり、シンセサイザーの音色が加えられ、シングルバージョンとは異なるアレンジが施されています。

批評とチャート成績：高い評価と意外な売上

『CDジャーナル』は「神秘的で厳かな雰囲気に満ちている」、「単に喜ぶだけではなく、身を引き締め新たな決意をした歌詞は、同じシチュエーションの男性の心をつかむはず。鼓動に似たリズムと赤子の鳴き声が、リアルだ」と高く評価しています。オリコンチャートでは最高2位を記録し、10週にわたってランクインしましたが、売上枚数は12.2万枚と、彼の他のヒット曲と比べるとやや低めでした。前作「乾杯」、次作「とんぼ」という大ヒット曲に挟まれたリリースだったことも、その要因の一つと考えられます。

ライブパフォーマンス：貴重なステージでの演奏

「NEVER CHANGE」は、リリース前にもかかわらず、1988年5月18日放送の『夜のヒットスタジオDELUXE』で初披露されました。その後も、『LIVE'88 NEVER CHANGE』ツアーファイナルの東京ドーム公演を含む数々のライブで演奏され、長渕剛のライブにおける定番曲の一つとなりました。

まとめ：「NEVER CHANGE」は、長渕剛の音楽人生における重要な転換期を象徴する作品であり、親子の絆、そして人生の新たな出発を力強く歌い上げた、まさに「不変の価値」を持つ名曲と言えるでしょう。その静謐で力強いメロディー、そして心に響く歌詞は、多くのリスナーに感動と共感を呼び起こし続けています。

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