NEXT DOOR

原田知世『NEXT DOOR』：新たな扉を開けた意欲作

『NEXT DOOR』（ネクスト・ドア）は、1986年6月28日にCBS・ソニー/KADOKAWA RECORDSから発売された、原田知世の4枚目のオリジナル・アルバムです。前作『PAVANE』から約半年という短い期間でリリースされ、「彼女は今、新たな扉のノブに手をかけた…」というキャッチコピーが示すように、新たな音楽的挑戦が込められた作品となっています。

制作背景

本作の大きな特徴は、全曲の作詞を秋元康が担当している点です。当時、アイドル歌謡界でヒットメーカーとして名を馳せていた秋元康の起用は、原田知世の音楽性をより幅広い層にアピールする戦略だったと考えられます。サウンドプロデューサーには、数多くのアーティストを手がけてきた後藤次利が起用され、楽曲のアレンジやサウンド面での方向性を決定づけました。さらに、原田真二と吉川晃司という、それぞれ個性的な音楽性を持つアーティストが作曲で参加している点も注目されます。

楽曲構成

アルバムには、バラードからアップテンポなナンバーまで、多彩な楽曲が収録されています。秋元康の描く繊細な歌詞と、後藤次利による洗練されたサウンドが融合し、原田知世の透明感のある歌声を最大限に引き出しています。CD盤には、先行シングル「雨のプラネタリウム」のB面曲である「赤いパンプス」が追加収録されており、より充実した内容となっています。

批評

音楽雑誌『CDジャーナル』は、本作について「声の細さも知世の持ち味。声量のなさも感性の端々しさでカバーしてまずは成功した一作だ。」と評しています。この評価は、原田知世の持つ独特の魅力と、それを最大限に活かした楽曲の完成度の高さを物語っています。

参加ミュージシャン

本作には、以下のミュージシャンが参加しています。

Vocals：原田知世
Keyboards：富樫春生, 南部昌江
E.Bass：後藤次利
E.Guitar：今剛, 北島健二(#1)
Acoustic Guitar：今剛
Drums：山木秀夫
Sax：JAKE H. CONCEPCION, 中村哲
Latin Percussion：後藤次利, 山木秀夫, 今剛, 中村哲
E.Violin：金子飛鳥
Chorus：原田知世, 木戸泰弘, 比山貴咏史, 平塚文子
Synthesizer Operator：迫田到
Transcription：Yuji Akaogi

豪華なミュージシャンたちが参加し、楽曲に深みと奥行きを与えています。

まとめ

『NEXT DOOR』は、原田知世が新たな音楽的境地を開拓した意欲作として、今もなお多くのファンに愛されています。秋元康の歌詞、後藤次利のサウンドプロデュース、そして原田知世の歌声が織りなす独特の世界観は、聴く者を魅了し続けています。

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