NFLスカウティングコンバイン

NFLスカウティングコンバイン（NFL Scouting Combine）

NFLスカウティングコンバインは、アメリカのプロフットボールリーグであるNFLが主催する重要なイベントで、ドラフト候補生の運動能力とメンタルテストを評価するために毎年開催されています。このイベントは、インディアナ州インディアポリスのルーカス・オイル・スタジアムで行われ、毎年2月下旬に実施されます。参加するには、NFLからの招待が必要で、150以上の選手が選ばれます。

目的と効用

このイベントの主な目的は、NFLの各チームがコーチ、GM、スカウト陣を一堂に招集し、同じ基準でドラフト候補生を評価できることです。これにより、各チームは個別に選手の能力を測定する必要がなくなり、時間と費用を節約することが可能になります。また、選手たちの能力を数値化することで契約金が不当に高騰することを防ぐ役割も果たしています。

歴史

スカウティングコンバインの前、各NFLチームはドラフト候補生を個別に招待し、能力を測定していました。しかし、ダラス・カウボーイズのオーナー兼GMテックス・シュラムが、選手を一か所に招待して評価するシステムの導入を求めたことから、1982年にナショナル・インビテーションキャンプ（NIC）が開催されました。その後、1985年に現在のNFLスカウティングコンバインと名称を改め、1987年からインディアナポリスで定期的に行われるようになりました。

テスト内容

スカウティングコンバインでは様々な運動能力テストが実施されます。その内容は以下の通りです：

- 40ヤード走：選手のスピードを測るための基本テストで、10ヤードと20ヤードの中間タイムも計測されます。
- ベンチプレス：225ポンド（約102キロ）のバーベルを何回持ち上げられるかを測定します。
- 垂直飛び：選手のジャンプ力を評価します。
- 立ち幅跳び：横方向のジャンプ力を測定します。
- シャトルラン：20ヤードと60ヤードのシャトルランがあり、敏捷性を評価します。
- 3コーンドリル：方向転換能力を測るテストです。
- ポジションごとの個別テスト：各ポジションに特化した能力を評価します.
- 面接：各チームが選手と面接を行う時間が設けられています。
- 身体測定、薬物検査、怪我の有無の確認、サイベックステスト（関節の柔軟性を測定）、ワンダリックテスト（知能テストの一種）なども含まれます。

ベンチプレス記録

特に注目されるのがベンチプレスの回数で、過去にはJustin Ernestが1999年に51回の最高記録を持っています。ベンチプレスで40回以上の回数を記録する選手は非常に稀で、その中には『アメリカンフットボール』のレジェンドたちが含まれています。

スカウト組織と参加者

各NFLチームはスカウト組織を結成しており、毎年約335名が招待されます。そのうちの250名は前の年のボウルゲーム終了後に決定されます。

コンバインへの批判

一方で、スカウティングコンバインのテストが実際にNFLでのパフォーマンスにどの程度結びつくのか、疑問の声が上がっています。研究によれば、特定のテスト項目が選手の将来のパフォーマンスに影響を与えないことが示されています。

テレビ放送

スカウティングコンバインは2004年からテレビで放送されており、その視聴者数は年々増加しています。特に、NFLネットワークが独占的に放送を行っており、多くのファンに支持されています。

まとめ

NFLスカウティングコンバインは、ドラフト候補生にとって重要なイベントであり、スカウトやチーム関係者にとっても価値ある情報を提供する場となっています。毎年進化し続けるこのイベントに、多くの期待が寄せられています。

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