NHK NEWSLINE

NHK NEWSLINE

『NHK NEWSLINE』（エヌエイチケイニューズライン）は、日本の公共放送である日本放送協会（NHK）の国際放送チャンネル、NHKワールドTVで放送されている主要な英語ニュース番組です。NHKの子会社である日本国際放送との共同制作により、世界中の視聴者に向けて日本の視点から国際情勢やアジアの動向を伝えています。

番組概要

この番組は、外国人視聴者を主な対象とし、日本およびアジア地域の最新ニュースや経済情報、気象情報を英語で提供しています。放送は原則として日本標準時（JST）に基づき、ほぼ毎正時にスタートします。現在の放送回数は1日あたり19回（土曜・日曜・祝日は24回）に及び、多様な時間帯で視聴できるようになっています。

番組の歴史

番組の起源は、1997年4月に放送を開始した10分間の英語ニュース番組『DAY LINE JAPAN』に遡ります。当初は1日に3～4回程度の放送でしたが、2000年度に現在の『NEWSLINE』へと改題され、その後、NHKの英語放送拡充方針に伴い、段階的に放送回数を増やしていきました。

2007年4月にはタイムテーブルが見直され、開始時刻が毎時45分に繰り上げられた15分ニュースが平日日中に導入されました。同年10月からは平日深夜早朝や土日祝にも放送枠が拡大し、再放送を含めると平日は1日17回の放送となりました。

大きな転換期となったのは、2009年2月2日のNHKワールドTVの完全独自編成へのリニューアルです。これにより、『News Today 30 Minutes』など他の英語ニュース番組が『NEWSLINE』に統合され、国内向けの日本語ニュース番組の同時・時差放送がNHKワールド・プレミアムに移行しました。この際に、放送開始時刻が現在の毎正時へと変更されました。

2015年4月には、20時台などにワイドニュース枠『NEWSROOM TOKYO』が新設され、さらに平日15時・16時台にはアジアニュースに特化した30分番組『NEWSLINE ASIA24』が始まりました。これにより、放送回数が調整され、22回から20回となりました。その後も改編は続き、2023年度には『NEWSROOM TOKYO』の再放送枠が新設された影響で、全体の放送回数は19回となりました。また、『NEWSROOM TOKYO』が27分構成となったことに伴い、20時台と翌朝3時台には新たに派生番組『NEWSLINE IN DEPTH』の放送枠が設けられています。

将来的な動きとして、2025年3月31日からは現在の派生番組『NEWSLINE IN DEPTH』および『NEWSLINE BIZ』の枠を統合し、30分間のワイド番組へと拡充される予定です。また、平日19時台の枠は、日本国内で放送されている『NHKニュース7』の同時放送に充てられるため、廃止される見込みです。

放送形態と構成

『NHK NEWSLINE』の放送時間は、午前8時を境に平日と週末で基本構成が変わります。平日は主に15分間、週末は10分間の放送となっています。ただし、月曜日の8時・9時台は10分枠で、10時台以降が15分枠となるなど、一部例外もあります。また、国民の祝日や年末年始、お盆期間などの特別編成時には、通常15分の平日放送が週末と同様の10分間に短縮されることがあります。ただし、重大なニュースが発生した場合は、祝日でも15分放送となるケースがあります。

かつては平日版が本編15～18分に加えて、後続する派生番組（『NEWSLINE IN DEPTH』『DIRECT TALK』『NEWSLINE BIZ』など）と組み合わせて放送される構成が一般的でした。現在は時間帯によって『NEWSROOM TOKYO』や『NEWSLINE ASIA24』といった別のワイド番組が放送されています。例えば、平日15時・16時台は『NEWSLINE ASIA24』（30分）、平日20時・21時台と翌朝3時台は『NEWSROOM TOKYO』（27分）が放送されます。

番組は通常、ニュース本体の後に気象情報が続きます。15分版では気象予報士による解説が入る時間帯があり、10分版では主にCG映像が使用されます。エンディングではスタジオの映像やNHK放送センター屋上からの映像が流れるのが定番です。

特定の時間帯では、アメリカ・ニューヨークのNHKアメリカ総局から放送されることがあります。2021年5月以降、日本時間の火曜日から土曜日の早朝帯を中心にニューヨークからの放送が行われており、2024年10月からは火曜日から金曜日の10時台もニューヨーク制作に切り替わりました。ただし、緊急時やアメリカの祝日には東京からの放送に戻る場合もあります。

番組が完全に休止することは稀ですが、日本の特定の式典中継（広島・長崎の平和記念式典など）や、年末年始の特別番組（『ゆく年くる年』英語通訳版など）が組まれる際には休止となることがあります。また、国内外で重大なニュースや重要な行事がある場合には、『NHK NEWSLINE Special Edition』として放送時間が拡大されたり、前倒しで開始されたりすることもあります。大規模な自然災害や事件発生時には、国内向けのNHK総合テレビの映像・音声に英語字幕や同時通訳を加えて放送されることもあります。

派生・関連番組

『NHK NEWSLINE』以外にも、NHKワールドTVではいくつかの派生または関連する英語ニュース・情報番組を放送しています。

NEWSROOM TOKYO: 平日夜間などに放送されるワイドニュース番組。記者や専門家を交え、日本の様々なトピックや国際ニュースを深く掘り下げます。
NEWSLINE IN DEPTH: 注目ニュースの解説、レポート、インタビューなどを通して、特定のトピックをより詳しく伝える番組です。主に平日夜間から翌日午前にかけて放送されていますが、2025年3月で終了予定です。
DIRECT TALK: 日本の企業家や文化人など、社会的に影響力のある人物へのインタビューを特色とする番組です。
NEWSLINE ASIA 24: 平日午後に放送される、アジア地域のニュースに特化した30分番組です。
NEWSLINE BIZ: 世界の市場動向や経済ニュース、解説を提供する番組です。平日夕方から翌日早朝にかけて放送されていますが、こちらも2025年3月で終了予定です。
BIZ STREAM: 週末に放送される経済情報番組で、1週間の経済動向の振り返りやトピックを扱います。

過去には『ASIA BIZ FORECAST』や『Asia This Week』といったアジア経済・情報に特化した派生番組も放送されていました。

国内での視聴方法

現在、『NHK NEWSLINE』は日本の地上波やNHK BSでの直接放送は行われていません。国内で視聴するには、一部のケーブルテレビ局やひかりTVを通じてNHKワールドTVを受信するほか、NHKワールドTVの公式ウェブサイトで提供されているインターネットライブストリーミングやオンデマンド配信を利用する方法があります。

出演者

番組には多数のアンカー、レポーター、専門家が出演しています。アンカーは東京とニューヨークのスタジオから日替わりや週替わりで担当し、ニュースを伝えます。気象情報コーナーには気象予報士や気象学者が出演し、詳細な天気解説を行います。経済ニュースにおいては、ビジネス担当のアンカーや東京証券取引所からのレポーターが登場します。2020年3月以降、NHKでは日本人出演者の氏名呼称について、英語放送でも苗字から先に呼ぶ方針に変更しています。

『NHK NEWSLINE』は、その長い歴史の中で放送形態や内容を変化させながら、日本の国際情報発信の重要な役割を担い続けている番組と言えるでしょう。

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