NHKニュースTODAY

『NHKニュースTODAY』の概要

『NHKニュースTODAY』は、日本放送協会（NHK）によって1988年4月4日から1990年3月30日まで放送されていた大型報道番組です。この番組は、14年間続いた『ニュースセンター9時』の後を受け継いでスタートしました。最初の半年間は、フランスの作家ジュール・ヴェルヌの名作『80日間世界一周』からインスパイアを受けたキャッチフレーズ「80分間、世界一周。」を掲げていました。

番組のメインキャスターは、NHK BS1の『ワールドニュース』を担当していた平野次郎が務めました。2年目には、大村朋子がサブキャスターとして加入し、その他にも専門の担当キャスターとして国際担当の国谷裕子やスポーツ担当の福島敦子などが活躍しました。社会関連のニュースは、元高知県知事の橋本大二郎が担当することもありました。

当初、この番組は90分を超える時間枠を設けて放送されており、21:00から22:20までの放送時間を確保していました。しかし、この長い放送時間は、競合するテレビ朝日の『ニュースステーション』のような安定した視聴率を上げる試みに対抗する形で設定されたため、結果的にはニュース放送が間延びすることとなり、視聴者からは満足度が低いという声も上がりました。特にプロ野球のナイター速報では、試合が長引くと時間内に結果を伝えきれず、最終版のニュースでも簡素な結果の報告に終わることがありました。

このような状況を改善するために、番組は1988年10月3日から放送時間を22:00までに短縮し、その分ローカルニュースとの統合を行いました。これにより、スポーツニュースの充実を図りつつも、まとまりのある放送を実現しました。1989年2月6日には放送センターのスタジオも移転し、より現代的なセットに変更されました。

最後の放送は1990年4月で、メインキャスターには高島肇久が任命され、その後『NHKニュース21』にバトンタッチされました。特に最末期にはクリアビジョン放送が導入され、画面の明瞭さを向上させる試みが行われました。

この番組は、視聴者に向けた新しいニュースの形を追求する試みが見られた一方で、途中で折衷案や改善策を考える必要があったものの、日本の報道番組において重要な位置を占めたことが評価されています。

番組のテーマ曲のオープニングは細野晴臣が手掛け、エンディングは大野雄二が作曲しました。また、放送初年度には社会部の記者で池上彰が、「テレビの天才」と呼ばれていたことも特筆すべき点です。このような特色あるキャスター陣が、視聴者に信頼性の高い情報を届けるために貢献していました。番組終了後も、多くのキャスターや記者がそれぞれの分野で活躍していることは、『NHKニュースTODAY』が持つ影響力を物語っています。

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