NHK室蘭放送局

NHK室蘭放送局について

NHK室蘭放送局は、北海道に位置する日本放送協会（NHK）の地域放送局で、胆振総合振興局と日高振興局を放送対象地域としています。室蘭市にあるこの局は、NHKの支局体制の変遷を経て、地域住民のニーズに応じたローカルなコンテンツを提供してきました。なお、2022年度には札幌放送局と実質的に統合されたため、現在は札幌からの送出に切り替わっています。

放送局の概要

NHK室蘭放送局の所在地は、北海道室蘭市山手町1丁目3-50で、最寄りの郵便番号は051-0012です。この放送局には、ラジオスタジオ、ニューススタジオ、イベントスタジオの3つのスタジオがあります。室蘭局は、戦時中継局としての歴史を持ち、1952年には「放送局」へと昇格し、日胆地域の放送を担うようになりました。他の道内の局とは異なり、開局当初から地域密着型の放送を目指してきた点が特徴です。

変遷と統合の歴史

室蘭放送局は、1941年に札幌中央放送局の室蘭出張所として開設されると、その後1948年に室蘭支局へと改称し、1952年に正式に室蘭放送局に昇格しました。しかし、近年の改革の流れの中で、地域放送の効率化とリソースの最適化が求められるようになりました。

1988年には、室蘭局が札幌局の支局に格下げされる案が提起されましたが、地域住民の反発によってこの案は見送られました。ところが、2015年には営業部が廃止され、室蘭局管内が三つに分割される状況が生まれました。更には2020年には、釧路・北見両局との統合が進み、室蘭局の地域業務が札幌局に集約される方針が採られました。

2022年春の大幅な改編では、道内の7局が放送エリアを再編し、室蘭局は札幌局との共同制作体制へと移行しました。これにより、スタッフの地域配置が厳しくなり、その都度札幌からスタッフが派遣されるようになりました。これと相まって、室蘭局はその役割をほぼ札幌局に移してしまった形となります。なお、室蘭局のコールサインは、現在も残っている「JOQ」（総合テレビ・ラジオ第1・FM）および「JOZ」（教育テレビ・ラジオ第2）の組み合わせとなっています。

技術的な側面

デジタル放送においては、室蘭送信所が室蘭放送局の親局として機能し、総合テレビ（JOIQ-DTV）や教育テレビ（JOIZ-DTV）の放送を行っています。また、室蘭市を中心に各地に中継局を設置し、広範な送信エリアを確保しています。これにより、胆振・日高地域の住民がスムーズにNHKの情報を受け取ることが可能です。FM放送やラジオ第1・第2の中継局も整備されており、視聴者に多様なサービスを提供しています。

主要番組とスタッフ

室蘭放送局では、これまで『ほっとニュース道央いぶりDAYひだか』などの地域制作番組を放送してきました。2021年度まではアナウンサーやキャスターも配置されましたが、現在はNHK北海道改革により人員配置が一新され、現状ではアナウンス担当者は配置されていません。これにより、地域の声を直接的に放送する機会が減少する懸念も考えられます。

本局の役割は時代と共に変わりつつありますが、それでも引き続き地域の情報発信を行い、視聴者との接点を持つことが求められています。

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