NHK郡山支局

NHK郡山支局

NHK郡山支局（エヌエイチケイこおりやましきょく）は、日本の公共放送である日本放送協会（NHK）の福島放送局に属する支局の一つです。福島県のほぼ中央に位置する郡山市に拠点を置き、主に福島県の中通り中南部の地域における報道取材活動を担っています。

概要

現在のNHK郡山支局は、地域における報道取材の主要な拠点として機能しています。しかし、その歴史を遡ると、かつては単なる支局ではなく、「郡山放送局」として独自の放送機能を持つ組織でした。当時は専属のアナウンサーなどが常駐しており、ラジオ放送においてはJOCP、JOCDといった独自のコールサインも付与されていました。組織再編を経て現在は支局という位置づけになっています。

また、過去には福島放送局営業部の分室が郡山に設けられていた時期もあります。この営業分室は、郡山支局が管轄するエリアだけでなく、会津地方や、いわき支局が担当する浜通り地域の一部における受信料関連業務も手がけていました。しかし、2016年度に行われたNHK全体の組織見直しの一環として合理化が進められ、これらの営業関連業務は福島放送局の営業部本体へと集約されました。

所在地

NHK郡山支局は、福島県郡山市麓山（はやま）1丁目5番21号に位置しています。この場所は、同じく福島県を放送対象地域とする民放テレビ局、福島中央テレビの本社社屋のすぐ近くにあたります。

沿革

NHK郡山支局の歴史は、戦時中の1941年（昭和16年）2月13日に遡ります。この日、社団法人日本放送協会によって郡山放送局が開局しました。これは、現在のNHK福島放送局が開局したのと同時期にあたります。開局当初、郡山放送局にはJOCPというコールサインが付与されていました。

戦後、放送法が施行された1950年（昭和25年）6月1日、社団法人日本放送協会は解散し、これに代わって特殊法人としての日本放送協会が設立されました。この新たな法人に、これまでの郡山放送局を含む一切の事業と権利義務が継承されました。

その後、施設の拡充が進められ、1965年（昭和40年）7月には現在の郡山支局の建物にあたる郡山放送会館が落成しました。

大きな転機となったのは1988年（昭和63年）です。この年、組織体制の見直しにより、郡山放送局は支局へと組織上の位置づけが変更され、名称も現在のNHK郡山支局に改められました。この支局への降格と同時に、かつて使用していた独自のコールサイン（JOCPおよびJOCD）も廃止されました。

近年では、前述の通り、受信料関連業務を担っていた福島放送局営業部郡山営業分室の業務が、組織合理化に伴い終了しました。これは2016年（平成28年）7月15日のことで、業務は福島放送局本体へ集約されました。

放送波・チャンネル

テレビジョン放送およびFM放送については、基本的に福島市にある笹森山から送信されるNHK福島放送局の親局からの電波を受信するのが基本となります。ただし、郡山市周辺を含め、地形などにより電波が届きにくい地域のために、各地に中継局が設置されています。

AMラジオ放送については、郡山から独自の周波数で送信されています。

ラジオ第1放送: 郡山 846kHz
出力は5kWで、福島親局の1kWよりも高出力です。かつてはコールサインJOCPが使用されていました。周波数の関係で、新潟放送局のラジオ第1放送と混信する可能性があります。
ラジオ第2放送: 郡山 1512kHz
出力は1kWで、福島親局と同じです。かつてはコールサインJOCDが使用されていました。

テレビジョンのチャンネルについては、アナログ放送は既に終了しています。

総合テレビ
アナログ放送 (2011年7月25日停波): 福島親局 9ch、郡山河内 60ch（垂直偏波）、郡山田村 51ch、郡山柳橋 44ch
デジタル放送: 福島親局 15ch、郡山田村 13ch
Eテレ
アナログ放送 (2011年7月25日停波): 福島親局 2ch、郡山河内 62ch（垂直偏波）、郡山田村 49ch、郡山柳橋 46ch
デジタル放送: 福島親局 14ch、郡山田村 16ch

関連情報

郡山放送局として機能していた時代には、アナウンサーなどが駐在していました。著名な人物としては、後にフリーアナウンサーとして活躍した小川宏氏や、作詞家として知られる丘灯至夫氏（戦前、アナウンサーとして勤務）などが、郡山放送局に赴任または勤務経験があります。また、元NHK正職員アナウンサーの二見和男氏の初任地も郡山放送局でした。

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