NHK鶴岡支局

NHK鶴岡支局は、山形県鶴岡市に所在する、NHK山形放送局の管轄下にある出先機関です。

その起源は戦時中の1941年12月31日に難聴対策として運用を開始した臨時放送所に遡ります。戦後、1946年4月21日には正式に「NHK鶴岡放送局」として開局し、本格的なラジオ放送（呼出符号：JOJP）を開始しました。この放送局時代には、庄内地方に向けたローカル番組の制作・放送が行われ、後に著名なアナウンサーとなる小川宏氏も新人時代に配属されるなど、地域放送の拠点としての役割を担いました。1950年6月1日には、放送法施行に伴う組織改編を経て、特殊法人としての日本放送協会の放送局となりました。その後も放送サービスの拡充が進められ、1951年7月1日にはラジオ第2放送（呼出符号：JOJD）、1960年2月27日には総合テレビジョン（3ch, JOJP-TV）、1962年11月1日には教育テレビジョン（6ch, JOJD-TV）がそれぞれ開局しました。また、1969年3月1日にはFM放送の本放送も開始されています。

活動の拠点として、1966年3月20日には上畑町にNHK鶴岡放送会館が完成しました。この会館は、1964年6月16日の新潟地震発生時に、新潟・秋田両放送局と共に全国へ被害状況を生中継した際や、1976年10月29日の酒田大火発生時に「第2種動員体制」で特別報道にあたるなど、地域の緊急時における重要な報道拠点としても機能しました。

しかし、NHKの組織改編により、1975年に番組制作機能は山形放送局へ集約されることになりました。さらに、1988年には鶴岡放送局はその下部組織である「鶴岡支局」へと移行し、独自の呼出符号も廃止されました。アナログ放送の運用終了は全国一律で2011年7月24日でした。

支局となった後も旧鶴岡放送会館は活用され、1991年4月にはNHK文化センター庄内教室が開設されたほか、ギャラリーが併設されたり、埼玉県川口市の「NHKアーカイブス」や東京のNHK放送センターに収まりきらない一部の放送用テープやディスクなどが保管される場所としても利用されました。

2017年7月、鶴岡支局は移転のため旧鶴岡放送会館を閉鎖しました。支局機能は鶴岡市錦町のビルに移転しました。会館にあった文化センター庄内教室も一時、銀座通りに移転しましたが、2021年3月をもって運営を終了しました。しかし、「学びの灯を消したくない」という市民の強い要望に応え、受講者有志らが任意団体「庄内文化センター」を新たに立ち上げ、文化センターの活動を継承しています。

閉鎖された旧鶴岡放送会館の跡地は、2022年4月26日にタカラレーベン東北へ売却され、新たな集合住宅が建設されています。この集合住宅「レーベン鶴岡GRAN MARK TERRACE」は地上5階建て、総戸数128戸として計画され、2025年春の竣工・引き渡しが予定されています。

現在、鶴岡エリアへの放送は、高館山送信所から行われています。地上デジタル放送は2006年12月1日に開始されました。総合テレビは34ch（リモコンキーID: 1）、Eテレは32ch（リモコンキーID: 2）で、いずれも出力500Wです。FM放送は86.0MHz、出力250Wです。かつてのアナログ放送（2011年7月24日運用終了）は、総合テレビが3ch（出力1kW/0.25kW）、教育テレビが6ch（出力1kW/0.25kW）でした。ラジオ放送は、鶴岡ラジオ中継局から放送されており、ラジオ第1が1368kHz、ラジオ第2が1035kHzで、いずれも出力1kWです。

鶴岡放送局が開局した1946年に創立された鶴岡放送児童合唱団は、鶴岡におけるNHKの歴史的な名残として、現在も活動を続けています。また、鶴岡支局にはニュース中継用のCNG車が現在でも配備されています。

過去には、テレビのオープニングやクロージングで、山形局と鶴岡局両方のコールサインやチャンネルが表示されていた時期もありました。（1377文字）

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