NISグループ

NISグループ株式会社の歴史と変遷

NISグループ株式会社は、1960年に愛媛県松山市で設立された日本の金融機関です。当初は消費者金融業務を中心に展開し、様々なサービスを提供していました。特に、キャッチコピー「ニッシンはあなたの力（りき）になりたい」で知られるCMキャラクターの竹内力さんを起用し、多くの注目を集めました。

会社の設立と成長

NISグループは創業当初「株式会社日新商事」という名称で活動を始め、1990年に名前を「株式会社ニッシン」に変更しました。90年代には商業部門として「ビッグアップル」を立ち上げ、結婚式に関する情報サービスを提供し、事業を多角化していきました。また、1994年には株式を店頭登録し、1998年には東京本社を設立しました。その後、順調に業績を伸ばし、1999年に東京証券取引所および大阪証券取引所の第一部に上場しました。これにより、企業としての知名度が高まりました。

業態の転換

しかし、2000年代に入ると、NISグループは消費者金融としての機能を縮小し、事業者金融へのシフトを余儀なくされました。特に自動契約機の撤去や消費者ローン債権の売却などが代表的な動きであり、より安定した収益源を求めて事業の再構築が進められることとなりました。2006年には全ての融資金利を18パーセント以下に引き下げ、業界での規制を尊重した運営を目指しました。

経営破綻とその後

その後、2010年には日本振興銀行の経営破綻に影響を受け、債務超過に陥りました。2012年5月には東京地裁に民事再生手続き開始を申立て、その後、破産手続きへと移行し、最終的には2013年に破産手続きが完了しました。この経営破綻は、NISグループの長年の信用と顧客基盤に大きな影響を与えました。

子会社と関連企業

NISグループには、エヌ・アイ・ストラテジックパートナーズ株式会社といった関連会社も存在しましたが、多くの事業は他社に譲渡されました。また、ウェッブキャッシング・ドットコムという消費者金融のサービスを展開していた企業もありましたが、様々な経済的な影響により、最終的には他社に売却されました。

2018年には法人格が消滅し、NISグループとしての組織は終焉を迎えましたが、その存在と影響は日本の金融業界において長く記憶されることでしょう。NISグループの歴史は、経済環境の変化や業態の転換による企業の厳しい運営の一例として、今後も語り継がれることになるでしょう。

もう一度検索