NMKV

株式会社NMKVとは

株式会社NMKV（NMKV Co., Ltd.）は、日産自動車と三菱自動車工業が折半出資で設立した、日本市場における軽自動車事業に特化した合弁会社です。社名の由来は、Nissan Mitsubishi Kei Vehicleの頭文字を取ったものです。

概要

2010年12月、日産自動車と三菱自動車工業は事業協力関係の拡大に合意しました。その一環として、2011年5月に会社設立に関する正式契約を締結し、同年6月1日にNMKVが設立されました。

役割分担として、日産側は部品調達、企画、デザインなどを担当し、三菱側は製造、開発などを担当しています。設立当初の社員は約35名で、その半数強を三菱自動車出身者が占めていました。設立時の目標として、軽自動車市場における日産と三菱のシェア合計を、将来的に20%程度まで高めることを掲げていました。

設立当初は、三菱自動車が製造し日産自動車がOEM供給を受けていたeKワゴンの次期モデルを共同開発し、2013年前半に発売する計画でした。この共同開発では、軽自動車でトップクラスの燃費を目指し、車台とエンジンを新たに開発することを目指しました。

2013年3月には、初の共同開発車となる3代目eKワゴンと初代デイズが発表され、同年6月より販売が開始されました。同年9月には、軽自動車販売台数ランキングでデイズが5位、eKが10位にランクインしました。

3代目eKと初代デイズでは、海外から部品を調達するなどして、先代モデルよりも30%のコスト削減を実現しました。両ブランドで車体骨格を共通化しつつ、外板やバンパーで差別化を図っています。車両デザインにおいては、一つの案に対して三菱と日産それぞれのフロントデザインを組み合わせるなど、共同開発ならではの工夫が見られました。

また、三菱自動車が元々保有していた3B20型エンジンをベースに、日産の技術を活用し、圧縮比をレギュラーガソリン仕様としては高めの12.0に向上させました。共同開発の目的として、三菱側は完成エンジンや工場、開発施設を提供し、費用を削減すること、日産側は三菱自動車が保有していない先進安全技術などを提供することが挙げられました。同時に、日産側は従来のOEM方式よりも調達費を抑えることができ、三菱側は単独では捻出が難しい開発費の問題を解消することができました。

2013年6月時点の開発メンバーは、企画担当が日産・三菱それぞれ2名ずつ、開発担当が三菱16名、日産2名という構成でした。

2013年3月には、第二弾としてスーパーハイトワゴンタイプの車両を共同開発することが発表されました。同年3月25日には、日産側の車名がデイズルークスであることが発表され、デザインスケッチも公開されました。同年10月3日には、三菱自動車向けのeKスペース、および両車の外観デザインが発表されました。両車は2014年2月13日より販売を開始しました。

2013年6月、三菱自動車は今後の軽自動車開発をNMKVに一本化する方針を明らかにしました。同年11月には、三菱自動車、日産自動車にルノーを加え、軽自動車以外の分野でも協力体制を拡大することを検討していると発表しました。その中で、電気自動車仕様を含む新たなエントリーカーの開発を検討し、軽自動車の車台をベースにすることが示唆されました。

軽商用車・軽ワンボックスワゴンの開発は行っておらず、日産自動車・三菱自動車工業ともにスズキからキャリイ（NT100クリッパー、ミニキャブトラックとして）とエブリイ（NV100クリッパー/NV100クリッパーリオ、ミニキャブバン/タウンボックスとして）のOEM供給を受けています。また、三菱自動車側はNMKVの共同開発車種発売以前からEV軽バンのミニキャブMiEV（2023年にマイナーチェンジを実施して「ミニキャブEV」に名称変更）を継続販売し、日産自動車に「クリッパーEV」としてOEM供給しています。

沿革

2010年12月：日産自動車と三菱自動車工業が事業協力の拡大で合意
2011年5月20日：日産自動車と三菱自動車工業が会社設立について正式合意
2011年6月1日：株式会社NMKVを設立
2013年3月8日：日産自動車、三菱自動車工業の各社に対して企画・開発したエクステリアデザインと車名を発表。日産自動車向けはオッティ改め「デイズ」「デイズハイウェイスター」、三菱自動車工業向けは「eKワゴン」「eKカスタム」として、それぞれ6月に発売することを発表。第二弾共同開発車両として、スーパーハイトワゴンタイプ車両の開発を発表
2013年3月25日：日産自動車向け第二弾共同開発車両の車名が「デイズ ルークス」であること、ルークスの後継車になること、並びにエクステリアデザインが発表
2013年5月20日：三菱自動車工業水島製作所で「eKワゴン」「デイズ」のオフライン式を実施
2013年6月6日：3代目「eKワゴン」・初代「デイズ」販売開始
2013年7月1日：三菱自動車工業水島製作所内に水島オフィスを開設
2013年10月3日：三菱自動車工業向けのスーパーハイトワゴン「eKスペース」を発表。同時に日産自動車の「デイズルークス」を含めエクステリアデザインが公表
2013年11月5日：ルノー・日産アライアンスと三菱自動車工業が協力関係の拡大を検討することを発表
2014年2月13日：初代「eKスペース」・初代「デイズルークス」販売開始
2015年10月22日：3代目「ekワゴン」・初代「デイズ」について大幅なマイナーチェンジを実施
2016年4月20日：eKワゴン、eKスペース、デイズ及びデイズルークスの計4車種で燃費試験の不正問題が発覚。対象車4車種の製造停止、および販売停止が決定
2016年12月22日：初代「eKスペース」・初代「デイズルークス」について大幅なマイナーチェンジを実施
2019年3月14日：新型「ekワゴン」・「ekクロス」・「デイズ」・「デイズハイウェイスター」のオフライン式を実施
2019年3月28日：4代目「eKワゴン」・2代目「デイズ」販売開始
2020年3月19日：2代目「ルークス」・2代目「eKスペース」、および「eKクロス スペース」販売開始
2022年6月16日：初代「サクラ」・初代「eKクロスEV」販売開始
2023年1月18日：「eKクロス スペース」生産終了
2023年5月25日：初代「デリカミニ」販売開始

開発車種

eKワゴン
eKクロス
eKスペース
eKクロススペース
デイズ
デイズルークス
デリカミニ
サクラ
eKクロスEV

拠点

本社：神奈川県厚木市岡津古久560番地2日産テクニカルセンター内 V2棟2F
岡崎事業所：愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地三菱自動車技術センター内 岡崎本館4F
水島オフィス：岡山県倉敷市水島高砂町6-1（三菱自動車工業 水島製作所内）

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