NOCTY

ノクティ (NOCTY)

ノクティ（NOCTY）は、正式名称「ノクティプラザ」として知られる、神奈川県川崎市高津区溝口に所在する大規模な商業施設です。JR南武線および東急田園都市線の溝の口駅に近接し、地域のランドマークの一つとなっています。この施設は、溝口駅北口地区における都市再開発事業の主要な成果として、1997年9月に開業しました。その管理運営は、みぞのくち新都市株式会社が担っています。

名称の由来

「NOCTY」という名称は、地名である溝口の読み「のくち」に、都市を意味する英単語「City」を組み合わせることで生まれました。

施設構成

ノクティプラザは、駅前の再開発によって整備された一連の建物群の一部を構成しており、主に二つの棟から成り立っています。

ノクティ1

地上10階、地下1階建ての構造です。主に多種多様な専門店街を中心としており、2階から8階にかけてファッション、雑貨、書籍、文具、美容、スクールなど、幅広いジャンルの店舗が入居しています。9階はレストランフロア、10階と地下1階は主に公共施設スペースとなっています。公共施設としては、献血ルームや年金相談センター（10階）、行政サービスコーナーや郵便局、市バス乗車券発売所（地下1階）などが入っています。また、1階にはコンビニエンスストアや金融機関のATM、携帯電話ショップなどが配置されています。

ノクティ2

地上12階、地下2階建ての建物で、その大部分をマルイファミリー溝口が占めています。地下1階から10階までがマルイの店舗エリアとなっており、衣料品から食料品（まるい食遊館）、レストラン街まで、多様な商品やサービスを提供しています。その他、ノクティ2内には飲食店街や眼科なども存在します。特に特徴的なのは、11階と12階に川崎市の施設である高津市民館（ノクティホールを含む）が入居している点です。

これらノクティ1とノクティ2の二つの棟は、5階と9階に設けられた連絡通路を通じて行き来できるようになっています。

駅との接続

ノクティプラザは、JR南武線武蔵溝ノ口駅および東急田園都市線溝の口駅と、2階フロアレベルで直結するペデストリアンデッキによって結ばれており、駅からのアクセスが非常に便利です。

駐車場・駐輪場

施設には自動車約500台、バイク約12台を収容可能な駐車場も併設されています。駐車料金は自動車が30分ごとに250円、バイクは最初の1時間200円、以降30分ごとに100円となっています。店舗での利用額に応じた駐車割引サービスも提供されています。地下1階・2階には市営駐輪場も整備されており、自転車と50cc以下の原動機付自転車が利用できます。日曜日と祝日は無料開放されます。

再開発事業の背景と経緯

ノクティプラザが建設された背景には、溝口駅北口地区の都市再開発事業があります。かつて溝口は川崎市の交通の要衝でしたが、駅前広場の不足や周辺道路の狭さから、交通渋滞や歩行者の安全確保が大きな課題でした。この状況を改善し、地域の経済を活性化させるため、市が主体となり、公共施設と商業施設を一体的に整備する大規模な再開発プロジェクトが計画されました。

昭和30年代に構想が始まり、昭和40年代には再開発事業としての整備に方針転換。長年にわたり計画が進められ、平成3年には川崎市が事業施行者となり、キーテナントとして丸井が内定しました。平成6年から施設建築物および公共施設の本格的な工事が開始され、管理会社「みぞのくち新都市株式会社」も設立されました。そして、工事着手から3年後の平成9年9月、再開発ビルの愛称が「NOCTY」に決定し、施設が開業、駅前広場の一部供用も開始されました。事業全体の完了は平成11年3月です。この再開発によって、溝口駅周辺のインフラが整備され、商業機能が強化されました。

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