NOD32アンチウイルス

NOD32アンチウイルスの概要

NOD32アンチウイルスは、スロバキアのESET社が開発したアンチウイルスソフトウェアで、日本国内ではキヤノンITソリューションズが販売およびサポートを行っています。ソフトウェアの名称に使われている「NOD」は、スロバキア語の「Nemocnica na Okraji Disku」の頭文字を取り、直訳すると「ディスクの端にある病院」という意味になります。さらに、「32」は32ビットシステムを表しています。

特徴と利点

NOD32は、日本市場において大手のアンチウイルスソフトであるシマンテックやトレンドマイクロと比較して、プログラムサイズやウイルス定義ファイルが非常に軽量であることが特徴です。これにより、動作速度が速く、システムへの負担を最小限に抑えることが可能です。そのため、東京大学情報基盤センターをはじめ、数多くの教育機関、研究機関、医療機関、官公庁などで広く使用されています。

特に、日本大学生産工学部では、2002年にキヤノンITソリューションズとの実証実験を行い、ヒューリスティックス機能の優位性を確認した結果、2005年から正式に採用されています。

実績と評価

さらに、NOD32は2005年に、価格.comのウェブサイトが一部改ざんされる事件において、他のソフトが検知できなかったトロイの木馬型ウイルスを問題の2種類とも検知し、遮断することに成功しました。この incident により、NOD32の名声が高まり、専門の評価機関による検出テストでも高い評価を受けています。特に、AV-TEST.orgやDennis Technology Labsなどの第三者機関の評価で、カスペルスキーに次ぐ高評価も獲得しています。また、日本経済新聞が実施した顧客満足度調査においては、セキュリティ製品部門で3年連続の1位に輝いています。

対応プラットフォームとアップデート

NOD32はWindows Server 2008 R2を含む多様なサーバOSや、64ビット版のWindowsにも対応しています。また、ユーザインタフェースがやや独特で、詳細な設定が可能という特徴もあります。これにより、ユーザーはより柔軟に自分の環境に最適な設定を行うことができます。

2007年11月には、パーソナルファイアウォール機能や迷惑メール対策を含む「ESET Smart Security」が発売され、その後も進化を続けています。2013年にはラインアップの刷新が行われ、ESET Smart SecurityとESET Mobile Securityが統合され、個人向けの「ESET パーソナル セキュリティ」、5台までインストール可能な家庭向け「ESET ファミリー セキュリティ」、法人向け「ESET オフィス セキュリティ」として新たにブランドを拡張しました。ただし、NOD32アンチウイルスは既存の製品として併売され続け、法人向けの扱いですが個人での利用も可能です。

まとめ

2019年には、ESET パーソナル セキュリティとESET ファミリー セキュリティが「ESET インターネット セキュリティ」と名を改めるなど、常に進化を遂げながらユーザーの期待に応えています。これからも、軽快さと高い検出能力を持つNOD32は、サイバーセキュリティの分野で重要な役割を果たし続けることでしょう。

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