NOLQ-1

NOLQ-1について

NOLQ-1は、海上自衛隊における先進的な電波探知妨害装置です。この装置は、ミサイル護衛艦（DDG）やヘリコプター護衛艦（DDH）向けに設計された電子戦装置であり、電子戦支援と電子攻撃の両方の機能を兼ね備えています。NOLQ-1の製造は三菱電機によって行われました。

来歴

海上自衛隊は昭和34年度にアメリカ海軍からAN/BLR-1電波探知装置を導入し、これを基に国産の機器であるNOLR-1を開発しました。このため、いすず型護衛艦（34DE）に装備が進められ、その後、昭和39年度からは改良型のNOLR-1Bが装備化されました。さらに、昭和45年度からは新たに設計されたNOLR-5およびその発展型としてNOLR-6が搭載されることになります。これらはすべて日本電気によって開発されました。

一方、潜水艦用の電波探知装置であるZLRシリーズは三菱電機が担当し、1973年ごろから護衛艦向けの電波探知妨害装置の開発が始まった結果、NOLQ-1が誕生しました。

構成

NOLQ-1の最大の特徴は、電波探知装置（ESM）と電波妨害欺瞞装置（ECM）を一体化している点です。この統合により、電子戦の支援だけでなく、電子攻撃も可能になりました。特に、増える対艦ミサイルの脅威に対抗するために、電子戦統制艦としての機能を強化して、瞬時に信号を探知し妨害する能力が向上しました。

装置は、受信機や送信機、信号処理器、指示制御部、そしてアンテナなどから構成されており、受信した信号を効率的に分析、評価、記録することができます。また、必要に応じて妨害電波を発射することができ、電子計算機によってその情報処理が行われます。特に、AN/UYK-20という電子計算機が採用され、メモリーされた番号と一致した場合、自動的に妨害電波を発射する機能があります。

開発の経緯

NOLQ-1の開発は、オイルショックの影響で艦艇建造費が高騰する恐れがあったため、仕様が何度か変更されました。その結果、低周波部の削除や妨害モードの削減などが行われたバージョン、NOLQ-1-1およびNOLQ-1-2が設計されましたが、最終的に艦艇建造費は予想ほど高騰せず、当初の仕様に基づいたNOLQ-1が装備されることになりました。1979年1月に初号機が完成しましたが、就役当初は不具合が見られたものの、部隊からの評価は概ね好意的でした。

この装置は昭和48年度計画艦から装備化が進められ、4号機からは戦術情報処理装置（CDS）との連携や妨害モードの追加が行われたことで、改良されたシステム区分がNOLQ-1-3に分類されるようになりました。

搭載艦

NOLQ-1は様々な護衛艦に搭載されており、たちかぜ型、あさかぜ・さわかぜ（48・53DDG）、はたかぜ型護衛艦（56・58DDG）、はるな型護衛艦（改修版）、しらね型護衛艦（50・51DDH）などが含まれます。

この向上した装備は、海上自衛隊の電子戦能力を支える中核として位置付けられ、今後も進化し続けることでしょう。

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