NTT DATA, Inc.

株式会社NTT DATA, Inc. の概要

株式会社NTT DATA, Inc. は、NTTデータグループの子会社として、グローバル市場における事業展開を担っています。この企業は、NTTグループがグローバルでの競争力を高めるために戦略的に設立・再編された組織の一部です。以下に、その設立の経緯と事業戦略について詳しく解説します。

設立の経緯

株式会社NTT DATA, Inc.は、その前身となる株式会社ラサータとして2006年7月5日に設立されました。その後、2018年8月7日に株式会社NTTに商号変更を行い、さらに2022年10月1日に現在の株式会社NTT DATA, Inc.へと商号変更されました。この変遷は、NTTグループ全体のグローバル戦略の進展と密接に関わっています。

NTTグループのグローバル戦略

NTTグループは、1999年に純粋持株会社であるNTTを設立し、その傘下に地域通信会社のNTT東日本・西日本、長距離・国際通信事業のNTTコミュニケーションズ（NTTコム）を配置しました。2010年代に入ると、NTTコム、ディメンションデータ、NTTデータ、NTTセキュリティの4社を中心に、海外での事業展開を強化し、海外売上高2兆円規模の事業へと成長させました。

しかし、技術革新の加速に伴い、ビジネスモデルの変革が求められるようになり、NTTグループ全体で新たな価値を創造し、グローバル市場での競争力を高める必要性が高まりました。そこで、2018年10月にNTTの傘下にグローバル持株会社としてのNTT株式会社（NTT,Inc.）を設立し、その傘下にNTTコム、ディメンションデータ、NTTデータ、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute, Inc.（アメリカ合衆国現地法人）の5社を配置しました。

これにより、グローバルガバナンスの強化と、世界市場に精通した人材の知見をNTT,Inc.のマネジメントに取り入れ、グループ全体の競争力と収益性の向上を目指しました。また、NTTデータを除く4社の事業については、日本国内と国外で統合を進める方針が示されました。さらに、グローバル市場における研究開発を強化するため、アメリカ合衆国にファンド会社「NTT Venture Capital, L.P.」を設立し、テクノロジー分野への投資を活発化させるとともに、海外の学術研究機関やベンチャーキャピタルとのネットワーク構築を図りました。

NTTデータとNTT,Inc.の関係

NTTデータは、経営の独立性とブランドを維持するため、NTT,Inc.との統合後も独立した経営形態を維持し、他のグループ会社との連携を図る方針が取られました。しかし、その後の事業再編により、NTTデータはグローバル事業においてより重要な役割を担うことになります。

事業再編とNTT DATA, Inc.の誕生

2022年1月1日、NTT,Inc.傘下のNTTコムは、NTTドコモに株式譲渡され、NTTグループの長距離・モバイル通信事業はドコモグループが一元的に担うことになりました。そして、2022年5月には、NTTとNTTデータの海外事業統合が発表され、同年10月1日に株式会社NTT DATA, Inc.が設立され、NTTデータの傘下で、NTTグループの海外事業会社としての役割を開始しました。

現在の株式会社NTT DATA, Inc.

株式会社NTT DATA, Inc.は、NTTグループのグローバル事業戦略の中核を担う企業として、海外市場での事業拡大と、グループ全体の競争力向上に貢献しています。その設立の背景には、急速な技術革新とグローバル市場での競争激化という環境変化に対応するための、NTTグループの戦略的な事業再編がありました。今後も、NTTグループのグローバル戦略を推進する上で、重要な役割を果たしていくことが期待されます。


出典
NTTグループにおけるグローバル事業の更なる成長に向けて


外部リンク
公式ウェブサイト

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