NTTデータグループ

株式会社NTTデータグループの概要

株式会社NTTデータグループは、データ通信やシステム構築を主軸とするシステムインテグレーターであり、NTTグループの中核企業の一つです。日本国内においては、子会社の株式会社NTTデータが事業を展開し、公共、金融、法人といった幅広い分野でシステム開発や運用を手掛けています。グローバル展開も積極的に進めており、世界各地に拠点を持ち、国際的なITサービスプロバイダーとしての地位を確立しています。

創業から現在まで

そのルーツは、日本電信電話公社（現NTT）のデータ通信本部に遡ります。1967年にデータ通信本部が設立され、1988年にはエヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社として独立しました。その後、東京証券取引所に上場し、1998年には現在の株式会社エヌ・ティ・ティ・データへと商号を変更しました。2023年には持株会社体制に移行し、株式会社NTTデータグループとなりました。長年にわたり、全国銀行データ通信システム（全銀システム）や気象庁地域気象観測システム（アメダス）など、日本の社会インフラを支える数多くのシステムを構築してきました。

ロゴの変遷

初代ロゴは、淡い青地に「NTT DATA」の文字と、10個の楕円を配したデザインでした。この楕円はコロンブスの卵を意味し、二進法の1と0を表していました。2012年には、現在のロゴデザインに変更され、よりシンプルで現代的な印象になりました。

グローバル戦略

国内市場の成長が鈍化する中、海外ITサービス企業へのM&Aを積極的に行い、グローバル展開を加速させています。2012年度には海外売上高3,000億円、海外拠点50カ国への拡大を目標としていました。2018年には新グループビジョン「Trusted Global Innovator」を発表し、グローバルITサービス企業としての地位をより強固なものにしました。同年10月には、親会社である日本電信電話株式会社から、グローバル戦略持株会社であるNTT株式会社（NTT,inc）の傘下へ移行しましたが、経営の独立性は維持されています。

主なサービス

NTTデータグループは、金融・決済、公共・官公庁、法人向けに多岐にわたるサービスを提供しています。金融分野では、全銀システム、日銀ネット、CAFISなどの基幹システムを開発・運用しており、公共分野では、ADAMS（官庁会計事務データ通信システム）、アメダス、社会保険オンラインシステムなどを構築しています。法人向けには、東京証券取引所情報系システム統合基盤や、各種業務アプリケーション、クラウドサービスなどを提供しています。その他、ブログサービス「Doblog」や、サンリオとの共同運営によるインターネットコミュニティサイト「マグネット」などのサービスも過去には提供していました。

沿革

1967年：日本電信電話公社にデータ通信本部設置
1973年：全国銀行データ通信システム開発
1988年：エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社として分社化
1995年：東京証券取引所市場第二部上場
1996年：東京証券取引所市場第一部上場
1998年：株式会社エヌ・ティ・ティ・データに商号変更
2018年：新グループビジョン「Trusted Global Innovator」を発表
2023年：株式会社NTTデータグループに商号変更、持株会社体制へ移行

グループ企業

NTTデータグループは、国内外に多数のグループ企業を抱えています。国内では、株式会社NTTデータや各地域会社、コンサルティング・シンクタンク系の企業、金融系・公共系・法人系のITソリューション企業などが存在します。海外では、NTT DATA, Inc. を中心に、グローバルに事業を展開しています。

不祥事

過去には、年金記録問題に関する疑惑や、特許庁汚職事件、総務省違法接待問題などの不祥事が報じられました。また、2023年には全銀システムで発生した障害を巡り、金融庁から報告徴求命令を受けています。

組織体制

2023年7月1日より、持株会社体制に移行し、株式会社NTTデータグループがグループ全体を統括しています。国内事業は株式会社NTTデータが、海外事業はNTT DATA, Inc. がそれぞれ担当しています。地域分社制を採用しており、各地域に地域会社が存在します。

今後の展望

NTTデータグループは、長年にわたり培ってきた技術力とグローバルネットワークを活かし、デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進や、新たなITサービスの創出に貢献していくことが期待されています。持株会社体制への移行を機に、更なる成長を目指し、グローバルITサービス企業としてのプレゼンスを高めていくことでしょう。

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