NUDE MAN

アルバム『NUDE MAN』について

『NUDE MAN』（ヌード・マン）は、サザンオールスターズによって1982年にリリースされた5作目のオリジナル・アルバムです。このアルバムは同時に10曲目の楽曲名でもあり、レコードとして初めて発売されたのは1982年7月21日です。販売元はInvitationで、1984年、1998年、2008年の間にCDとして再リリースされています。また、ダウンロードやストリーミング配信も行われるようになり、音楽ファンに親しまれています。

背景と制作

このアルバムは、前作『ステレオ太陽族』から約1年後に登場しました。サポートミュージシャンとして参加したのは、キーボードの国本佳宏で、彼はライブでもメンバーとして活躍していました。この時期からサザンオールスターズの楽曲には、社会的なテーマを扱うものが見られるようになり、本作でも中国残留孤児やロッキード事件に影響を受けた楽曲が収録されています。

特に1998年に再発された初回限定版には、オリジナルLPの復刻ジャケット（紙ジャケット）とともに、高田文夫によるライナーノーツが含まれています。

アートワーク

アルバムジャケットの写真は、写真家の半沢克夫が1970年代初めにインドで撮影したもので、オーストラリアのヒッピー男性を写したものです。桑田佳祐がこの写真に興味を持ち、利用の許可を得て使用した経緯があります。

批評と受賞歴

桑田佳祐自身はこのアルバムを「退屈なアルバム」と評価しながらも「やりたいことができたのは事実」と述べています。夏をモチーフにした楽曲が多いことから、「サザンが夏のバンドであることを決定づけたアルバムでもある」と語っています。オリコンによると、このアルバムの累計売上は約97.1万枚に達し、1980年代リリースのアルバムの中で最も売れた作品となりました。

収録曲

このアルバムには多様な曲が収録されています。たとえば、「思い出のスター・ダスト」は1960年代のソウルを思わせるバラードで、「夏をあきらめて」は後に研ナオコや坂本冬美にカバーされ、桑田はレコーディング中に顎関節症に悩まされたと言われています。「流れる雲を追いかけて」は原由子がボーカルを務める曲で、戦争に翻弄される女性の心情を描いています。

また、タイトル曲「NUDE MAN」は歌詞が公開されておらず神秘的な存在感を持っています。全体を通して、アルバムにはジャズやレゲエの要素が取り入れられた多彩な楽曲が並んでいます。

参加ミュージシャン

本作には、桑田佳祐や原由子、大森隆志など、サザンオールスターズのメンバーのほかに、多数のミュージシャンが参加しており、ストリングスやホーンセクションも加わることで、音楽的な厚みが生まれています。

まとめ

『NUDE MAN』は、サザンオールスターズの音楽的進化を示す重要なアルバムであり、多彩なテーマやスタイル、アートワークが特徴です。リリースから数十年が経ってもなお、多くのファンに愛され続けている作品です。

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