Nao (ロボット)

Nao（ナオ）について

Naoは、フランスのアルデバランロボティクス社によって開発された、自律歩行が可能な小型ヒューマノイドロボットです。その愛らしい外見と高度な機能性から、教育機関や研究機関、さらには商業施設など、幅広い分野で活躍しています。

歴史

Naoの開発は、2005年にアルデバランロボティクス社が設立されたことから始まりました。初期のバージョンは研究用途に限定されていましたが、2007年にはロボカップの標準プラットフォームとして採用され、その知名度と実用性が大きく向上しました。

2005年7月7日: ブルーノ・メゾニエ氏によりアルデバランロボティクス社が設立。
2007年8月21日: ロボカップ2008から、Naoがスタンダードプラットフォームリーグ（SPL）の標準機として採用決定。
2008年3月: 初の完成版であるNaoロボカップエディションがリリース。
2008年4月3日: ロボカップ2008向けNaoが発表。
2008年5月9日: マイクロソフト社よりロボカップNao向けソフトウェアがリリース。
2008年9月: 研究機関・大学向けにNaoの販売が開始（価格は1万ユーロ）。
2009年7月: 株式会社アールティが日本国内総代理店としてNaoの販売を開始。
2010年6月21日: 上海万博フランスパビリオンで20体のNaoがダンスを披露。
2010年10月13日: 東京大学がNao30台を導入。
2011年12月9日: 第4世代NaoであるNao Next Genが登場。
2013年4月29日: 会話型音声機能を活用した自閉症対策プログラム「ASK Nao」が発足。
2013年11月: ニュアンス・コミュニケーションズ社の会話型音声機能を搭載。
2014年6月16日: 第5世代Nao Evolutionが発表。稼働時間の向上、耐久性強化、センサー感度・音声認識機能強化が図られる。日本語音声合成エンジンに「AITalk」を採用。
2015年1月9日: 株式会社日本サード・パーティがNaoの販売代理店契約を締結。
2015年1月24日: 三菱東京UFJ銀行が接客用にNaoを導入すると発表。
2015年9月15日: オリックス・レンテックと日本サード・パーティがNaoレンタルサービスを開始。
2018年5月24日: 第6世代Nao6が発表。
2018年6月26日: 株式会社日本サード・パーティがNao6の先行販売受付を開始（参考価格140万円）。

ロボカップでの活躍

Naoは、ロボットによるサッカー競技会であるロボカップにおいて、2007年からスタンダードプラットフォームリーグ（SPL）の公式ロボットとして採用されています。それまで四足歩行ロボットが主流だったリーグに、二足歩行ロボットであるNaoが導入されたことは、ロボット技術の進歩を示す象徴的な出来事でした。特にロボカップ2010では、Nao V3Rが共通プラットフォームとして使用されました。

バージョン

Naoは、数々のバージョンアップを経て進化を遂げてきました。

AL-01, AL-02, AL-03: 2005年1月～2006年3月
AL-04: 2005年9月～2006年7月
AL-05.a: 2006年6月～2007年6月
AL-05.b: 2007年5月～2007年12月
Nao ロボカップエディション: 2008年3月（初の完成版）
Nao アカデミックエディション: 2008年（教育関係者や企業向け）
Nao Next Gen（第4世代）: 2011年12月
Nao Evolution（第5世代）: 2014年6月
Nao6（第6世代）: 2018年5月

仕様（NAO6）

2018年に登場した第6世代Nao6は、前世代から大幅なスペックアップが図られました。

CPU: ATOM E3845
RAM: 4GB DDR3
SSD: 32GB
起動時間: 79.4秒（従来品の131.7秒から短縮）
カメラ: オートフォーカスレンズ（解像度：トップカメラ 2560×1920の15FPS）
音声認識: 全指向性マイクによる向上
Bluetooth対応、Wi-Fi高速化

導入事例

Naoは、教育・研究機関から商業施設まで、幅広い分野で導入されています。

教育機関：慶應義塾大学、立命館大学、筑波大学、日本工業大学、京都大学、ハーバード大学、スタンフォード大学
研究機関：東京大学大学院 情報理工学系研究科
公共施設：コネティカット州ウェストポート図書館
企業：ロボットスタート、三菱東京UFJ銀行、オリックス・レンテック、東京[技術]]センター、ハウステンボス]、[[大垣共立銀行、ヒルトン

関連技術

Naoの動作を制御するソフトウェアプラットフォームであるNAOqiや、他の人型ロボットであるASIMO、AIBO、Pepper、Romeoなどと並び、ロボット技術の進化を象徴する存在です。

その他

Naoは、その愛らしい外見と高度な機能性から、教育や研究、接客など、さまざまな分野で活用されています。進化を続けるNaoの今後の活躍が期待されます。

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