Necrobarista

Necrobarista - ゲーム概要

『Necrobarista』（ネクロバリスタ）は、オーストラリアのインディーゲームスタジオであるRoute 59が制作したビジュアルノベルです。特に注目されるのが、そのユニークな設定と斬新なビジュアルスタイルです。追加シナリオを収録したバージョンは『ネクロバリスタ: 最期の一杯』（Necrobarista - Final Pour）というタイトルでリリースされています。

物語の舞台

ゲームの舞台はメルボルンの架空のカフェ「ターミナル」です。このカフェは特異な場所であり、生者と死者が共存しています。死後の世界に向かう前の時間を過ごすため、死者たちはここに訪れるのです。ストーリーは、バリスタの女性マディが中心となり、彼女と仲間たちの交流を描くことにより、生と死をテーマにした群像劇が展開します。

ビジュアルスタイル

本作の特徴の一つは、従来の2Dグラフィックを用いたビジュアルノベルとは異なり、3Dアニメーションを多用している点です。また、場面ごとに異なる位置にテキストが表示されるなど、従来のゲームスタイルにとらわれない新しい表現がなされています。

ゲームシステム

『Necrobarista』には一般的なビジュアルノベルのようなシナリオ分岐は存在しません。テキストの一部には色違いの単語があり、これを選ぶことで補足情報が得られる仕組みです。また、物語の途中には1人称視点でカフェ内を探索するパートがあり、店内の特定の場所を調べることでキャラクターの「記憶」を閲覧できます。『最期の一杯』では、この閲覧がすぐに可能になるなど、初版に比べて利便性が向上しています。

世界観とルール

ターミナルには生者と死者が訪れるため、外見上は見分けがつきませんが、死者の滞在時間は原則24時間と定められています。とはいえ、作品内のルールは必ずしも厳格には守られず、時間を買ったり交換したりすることも可能です。超過した時間はカフェ側の「負債」とされ、これを管理するのが「死の評議会」と呼ばれる組織です。この評議会は死後の秩序を保つための機関で、メンバー自身も死者であることが特徴です。

登場人物

マディ・シャオ (Maddy Xiāo)

ターミナルのオーナーで、27歳の女性。彼女は客にコーヒーを提供する傍ら、死者たちとの交流を楽しんでいます。内心でネクロマンシーに対する興味を抱く一面も持っています。

チェイ・ウー (Chay Wu)

元オーナーで、ネクロマンシーに関わり200年以上生きた男性。彼はマディにアドバイスを送りつつも、彼女を叱咤激励する存在です。

アシュリー (Ashley Capek)

13歳の少女で、カフェに常駐しています。右腕が機械の義腕であり、ロボット作りに秀でた才能を持つ一方で、周囲を巻き込む天真爛漫さを持ち合わせています。

キシャン (Kishan)

ターミナルに来た男性で、生前は家族や恋人について考える人物。滞在時間を賭けた対決では、彼の葛藤が描かれます。

ネッド・ケリー (Ned Kelly)

「死の評議会」のメンバーで、164歳。彼の贖罪意識や友人との関係が物語の中で深く掘り下げられています。

テュアンとハンナ

16歳の少年テュアンとその友達ハンナも物語に登場し、それぞれの背景と内面の葛藤が描かれます。

このような魅力的なキャラクターたちとともに、ゲームは独特なテーマと深いストーリーを持っています。『Necrobarista』はそのビジュアルやシステム、キャラクター設定において新しい体験を提供する作品となっています。

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