Netlib

Netlibは、アメリカの著名な研究機関であるAT&T、ベル研究所、テネシー大学、オークリッジ国立研究所が共同で管理している、大規模なソフトウェアリポジトリです。このリポジトリは、科学技術計算や数値解析に利用される様々なプログラムやライブラリを、オンラインで公開・提供しています。

Netlibに集められているソフトウェアは多岐にわたり、その多くは科学技術計算分野で広く利用されているプログラミング言語であるFortranで記述されています。しかし、Fortran以外の言語で記述されたプログラムやライブラリも含まれています。これらのソフトウェアは、研究者や開発者が自身の研究やプロジェクトで利用することを目的としており、科学技術計算の発展に大きく貢献してきました。

Netlibのソフトウェアの法的側面については、いくつかの注意点があります。一部のソフトウェアは、パブリックドメインとして明確に公開されており、誰でも自由に利用できます（例：SLATEC）。しかし、多くのプログラムやライブラリには、ライセンスや利用条件が明示的に示されていません。そのため、これらのソフトウェアを実際に利用する際には、十分に注意し、必要に応じて著作権や利用規約を確認する必要があります。特に、商用目的での利用を検討する場合は、事前に権利関係を明確にしておくことが重要です。

Netlibは、数学ソフトウェアの総合的なガイドである『Guide to Available Mathematical Software』でも紹介されており、その信頼性と有用性が認められています。同ガイドでは、Netlibの提供するソフトウェアが数学的計算において果たす役割と、利用方法について詳細に解説されています。

Netlibで提供されているソフトウェアの中でも特に有名なものには、BLAS（Basic Linear Algebra Subprograms）、EISPACK（固有値問題のパッケージ）、LAPACK（線形代数パッケージ）、LINPACK（線形方程式のパッケージ）、MINPACK（非線形方程式のパッケージ）などがあります。これらのパッケージは、それぞれ特定の計算分野における標準的なライブラリとして、長年にわたり多くの研究者やエンジニアに利用されています。

Netlibの公式サイトでは、これらのソフトウェアの詳細な情報やダウンロード、ドキュメントなどを閲覧できます。また、Netlibは、コミュニティによって維持・運営されており、利用者からのフィードバックや貢献によって、ソフトウェアの品質向上や新しいソフトウェアの開発が進められています。Netlibを利用する際には、公式サイトで最新の情報を確認し、適切な利用を心がけることが推奨されます。

関連する項目として、上記で挙げたBLAS、EISPACK、GNU Scientific Library、LAPACK、LINPACK、MINPACKなどが挙げられます。これらのライブラリは、それぞれ特定の分野において重要な役割を果たしており、Netlibと合わせて利用することで、より高度な計算や解析が可能となります。

外部リンク

* www.netlib.org

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